
朝の光が まだ眠る街をすり抜けて カップのふちに残る湯気が 海霧みたいに揺れる 玄関のドアを開けた瞬間に 胸の奥で 静かな波が寄せては返す 言い訳みたいな理由は どこにも置いていけなくて 昨日までの足跡が まだ砂に残ってる それでも 風が頬を撫でるたび 遠くの水平線が 名前を呼んでくる 舵を切るよ まだ見ぬ海原へ 静かに船を出すように 過去を捨てるんじゃなくて 積み荷のまま抱えていくんだ 進んでいくよ 胸の奥で灯った小さな光が 今日の航路を照らしていくから 雲の切れ間から ひとすじの光が落ちて 海の向こうの空が 胸の奥で広がっていく 昨日までの影も 消えたりはしないけれど 重さよりも その先の風を感じている 舵を切るよ 揺れる海図の上に 新しい線を描くように 迷いながらでもいい 進むたびに変わっていく 僕の航路は あの日の涙も 今日の光も 全部抱きしめたまま 続いていくから もう一度 舵を切っていくよ

