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砂の城(Remake)

V6

鍵を開ける音もなく 灯りのついた部屋 おかえりと笑う声が いつしか当たり前になった 約束なんていらなかった 名前をつけない二人の距離 帰る場所は別々なのに 週末だけが重なっていた 洗い立てのシャツの匂い くだらない話の続き 何も聞かずにいたことが 優しさだと思っていた 自由でいればいい そう言い聞かせながら 次の週末を待つ自分に 気づかないふりをした 砂の城を築いていた 波の届く場所だと知りながら 永遠なんて望まないと 笑っていたはずなのに 壊れる音も聞こえぬまま 少しずつ何かが消えてゆく 守るつもりもなかった日々が こんなにも胸に残る 突然鳴り出した電話 知らない声が問いかける 知らなくていいはずのことを ひとつずつ知ってしまった 責める言葉を探すより 不思議と静かになっていた 俺だけが特別じゃないと 分かった夜の長さ 嘘の数を数えても 戻るものなどない それでもあの笑顔だけは 嘘だと思いたくなかった 砂の城は崩れてゆく 引き止める理由も見つからず 誰のものでもなかった時間 誰にも渡したくなかった 好きだったのかさえ今も 答えを出せずにいるけれど あの部屋に残った温もりは 確かにそこにあった 言いたいことは分かるよな 小さく頷いた横顔 今夜はここにいればいい 明日 鍵を置いてゆけ 言葉の途切れた部屋で 初めて見せた涙 抱き寄せることもできず ただ夜が過ぎてゆく 砂の城よ 波に消えろ 残した足跡も連れてゆけ 二度と戻れないと知っても あの日々を否定はしない 愛と呼ぶには曖昧で 遊びと呼ぶには切なすぎた 何も約束しなかった二人が 最後に交わしたさよなら いくつかの駅を越えて 懐かしい街が過ぎる 私じゃダメかな あの日の声がよみがえる 窓の向こうに朝が流れ また次の週末へ 電車は走ってゆく