タイトル:冷凍保存の君へ 作詞:にゅ〜らるPさん(@yus565644) ♯リリックガチャ 蛍光色の星が瞬く 無機質なガラスドーム 二世紀の眠りから覚めた 酸素の味が冷たすぎる カプセルの淵の白い霜を 拭うたび思い出す あの日のコーヒーの湯気が まだ胸の奥で揺れている 誰もが痛みを忘れた この世界の片隅で 私の時計だけが ずっとあの夜で凍りついている 「また明日ね」の続きは どこへ消えたの 冷たいアナウンスが無慈悲に響く 未来のいらない永遠なんて あなたを失う罰ゲームだわ 届かないメッセージ 届かないメッセージ 冷凍保存の君へ ずっと、ずっと 錆びついた記憶の糸を 必死で手繰り寄せる 顔も声も輪郭も 少しずつ溶けていく 忘れゆく恐怖だけが 私を生かしている お願い もう一度 その手で私を温めてよ 二百年の夜の果てで ずっと待っているから 植物も季節の匂いも データベースの古い記録 私を繋ぐものは この傷だらけの恋心 隙間に隠した二人の写真 解像度が落ちていく pixels の笑顔 もしも私の記憶が 消えてしまったら 私は本当の意味で 消えてしまうの? あなたの名前を あなたの名前を この冷たい部屋で 繰り返し呼ぶよ 科学が進化しても 取り戻せない体温 星を数えても あなたの手には届かない ねぇ、聞こえているの? 私は今日も あなたの名前を呪文のように唱えている 届かないメッセージ 届かないメッセージ 冷凍保存の君へ ずっと、ずっと 錆びついた記憶の糸を 必死で手繰り寄せる 顔も声も輪郭も 少しずつ溶けていく 忘れゆく恐怖だけが 私を生かしている お願い もう一度 その手で私を温めてよ 二百年の夜の果てで ずっと待っているから 零下の窓に描いた あなたの横顔 息を吹きかけても すぐに消えていく 消えていく、消えていく…… ねぇ、愛してたよ この世界の誰よりも、ずっと。 あなたを、ずっと。 🎼世界観散文 ガラスの丸天井の内側で、蛍光色の星がひとつずつ点滅している。目を覚ましてから、彼女は毎日カプセルの淵をなぞる。白い霜がつくたび指で拭って、拭った跡が乾く前にまた霜が張る。それだけが一日の区切りになっている。 吸い込む空気には味がある。冷たすぎて、喉の途中で止まる味だ。二世紀ぶんの眠りのあいだに、この世界の誰もが痛みを忘れることに成功したらしい。廊下に流れるアナウンスは、彼女の名前を一度も呼ばない。 隙間に隠した写真は、見るたびに粗くなる。頬の輪郭が四角い粒に分かれて、どこまでが顔でどこからが背景なのか、もうわからない。声はとっくに思い出せない。それでも彼女は毎日、名前だけを声に出す。呪文のように、間違えないように。 零下の窓に指で横顔を描く。息を吹きかけると、線がにじんで消える。消えるとわかっていて、彼女はまた描く。忘れることが怖いという感情だけが、まだ彼女を立たせている。 💿記録用 Produced by 波多 ヘルツ Co-produced by 剣持 キリ / ∅eiji Arranged by 灘尾ジュン Lyrics by にゅ〜らるP さん(@yus565644) Sound Design by 寒河江ナオ Plucked Folk Strings by 遠野リク Vocal by 一ノ瀬ガーネット