
深夜の窓硝子に滲むネオンの残光 完璧に仕立てた微笑みが ほんの少しだけ歪む 白い皿にならべられた上品な沈黙は 舌の裏に絡みつく甘く腐った毒の味 誰も気付かぬ胸の奥底で ゆっくりと渦巻き 熱を帯びる暗い潮流 今 静かに牙を研ぐ 衝動よ 思い上がりが築く檻を 内側から引き裂け 優雅に装う仮面の下で 沸き立つ血潮が 冷たい月に向かって咆哮している 拍手の残響が消えた後の空虚な部屋 枯れた薔薇の花弁が床に散らばる 「何でもない」と 零れる声と裏腹に指先は震え 氷のような理性が細かくひび割れる 穏やかな表情の下で煮えたぎる 見えない炎が 触れる全てを焦がしてゆく 今 確かに枷を解く 衝動よ この身体を贄に捧げ 泡沫の夢を暴け 無惨に朽ちてく仮面の下の 露わになる素顔 動かぬ月は黙って白く染めていく 稜威奇しい虚飾の牢獄の中で いつまで息を殺し優しい嘘を飲み続けられる? 今 歓喜に牙を剥く 衝動よ 我をも欺く仮面など焼き払ってしまえ 表に解き放たれた獣よ 叛旗の雄叫びで 耳障りな鎖をかき消せ 月を嘲笑うように響け

