帰り道に見上げた花火の残り火 浴衣の君が手を振っていた 屋台の灯り 遠ざかる笑い声 追いかけても届かない 金木犀の匂いがした 橙に染まる 放課後の校舎 落ち葉を踏んだ 帰り道 小さな花が 風に揺れて 君の横顔を照らしてた 時は流れても 景色はそのまま 心の奥で 疼き続ける 君と歩いた坂道の石畳 夕暮れに伸びた影 二つ並んで 「また明日ね」って交わした言葉さえ 今も胸に焼きついて 金木犀の匂いがした 祭りのあとに 残された灯り はしゃぐ声だけ 夢のよう 戻れないこと わかっていても ふいに君を探してしまう 香りがそっと 導いてゆく 笑い声も 涙も 幻じゃない あの日の私が 願ったことは 「今が永遠に続きますように…」 文化祭の歌声が夜空に溶けて 消えないようにと強く願った 「どうかまだ終わらないで」 あの日の私が泣いていた 金木犀の匂いがした


