眠る前にふとどこからか 虚しさが訪れ 冷えた街路を歩けば 風は孤独の輪郭をなぞり 人生とは果てる日まで その寒さに耐えることだと 思い込んでいた 諦めに似た眼差しで 胸の空洞を抱えながら けれど虚無という名の潮が もう何日も満ちてこないことに気づいたのは 娘が隣の部屋で眠り わたしは湯気の立つお茶を飲み 小さく音楽を流していた そんな夕暮れ 今とは違う名前で 違う時代を生きていたとしても こんな静けさを わたしはきっと知らなかっただろう いつだって運命は 波のように押し寄せて わたしたちはただ 足を踏ん張り 飲み込まれないように 生きるばかりだった けれど今は凪 凪について わたしたちは思いを巡らせる あなたがいて私がいて 娘が眠る そのことだけで満ちる 静かな時間 私はもう私を超えて 私たちになったのだと だからまた 運命が形を変えて現れても 季節がわたしたちを試しても 今度は歩いていけるだろう この胸を満たす穏やかな愛を 北極星のように抱きながら