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月白の翼

V6

月が照らす 白き夜 静けさだけが 空に残る 月影に 身を隠し 遠き山を 見下ろす 人の世も 妖の世も ただ静かに 過ぎてゆく 幾千の 夜を越え 幾度もの 春を見た それでもまだ この空は 変わらずに ここにある 語ることなど 多くはない 言葉よりも 深いものがある 白き羽を 夜に広げ ただ静かに 空をゆく 月白の翼 夜を裂いて 空へ舞え 月白の翼 遠き闇を 越えてゆけ この身に刻まれた 長き時も この目に映る 全てさえ ただ静かに 見届けよう 夜が明ける その日まで 欲に濁る 声などは 風に消えて しまえばいい 争いを 望まぬなら 刃を置き 目を閉じろ 嘘一つ 重ねれば 信じたもの さえ崩れる だからこそ 選ぶのは 静かな道 ただ一つ 守ることは 語ることじゃない 背を向けずに そこにいること 白き羽を 風になびかせ 月の下で ただ立っている 月白の翼 夜を裂いて 空へ舞え 月白の翼 遠き闇を 越えてゆけ この身に刻まれた 長き時も この胸に残る 記憶さえ 静かなまま 抱きしめて 夜が明ける その日まで もしもいつか この静寂を 破るものが この場所を 傷つけるなら その時だけは この羽を 黒き夜より 高く広げよう 月が沈み 夜が明ける それでもまだ 終わらない 幾千の時を 越えてなお この空を 見守っている 月白の翼 白き羽よ 舞い上がれ 月白の翼 遥か空を 駆け抜けろ 孤独さえも この身に抱き 過ぎゆく時を 見つめながら 守るべきもの ある限り わたしはここに 立ち続ける 月白の翼 夜の果てへ 飛んでゆけ 月白の翼 朝の光 その先へ 幾千の夜を 越えたなら また新たな 空を見よう 静かな羽音 残して わたしは空へ 帰ってゆく 月は沈み 風は止み 白き羽だけが 夜に残る