
壊れたままでいい
[Verse 1] 週末の夜 前触れもなく 洗濯機が動かなくなった 説明書ならどこかにあるけど 探す気力も今日はなくて 窓を叩く雨音に急かされて 軽自動車で走る住宅街 白い看板 浮かぶ明かりに 吸い寄せられてドアを開けた [Pre-Chorus] 少し古い乾燥機の列 ぶーんと鳴る自動販売機 思ったよりも静かな店で 洗濯機だけが回ってる [Chorus] その時 君が入ってきた 濡れた髪を軽く払って 小さな会釈をくれた人 慣れない僕は戸惑いながら 君の手順を真似していた 回る洗濯機みたいに 僕の気持ちも回り出す 名前も知らないその人を 目で追いかけていた [Verse 2] 待つだけの時間 椅子に座って 回る洗濯機をただ眺めてる 向かい側では慣れた手つきで 洗濯物をたたむ君 飾らない服 静かな仕草 たぶん僕と同じくらい 話したこともないはずなのに なぜだか気になっていた [Pre-Chorus] 洗濯物をかごへ移して 帰る前にも会釈ひとつ 自動ドアが閉まる音だけ 妙に大きく響いてた [Chorus] 君が帰ったその後でも なぜだかすぐには帰れなくて 残った気配を探してる 回る洗濯機みたいに 僕の気持ちは止まらない 早く直そうと思っていた 洗濯機なのに不思議だな また会えるなら もう少しだけ 壊れたままでいい気がした [Bridge] 三日後の夜 同じ時間 別に期待はしてないふりで コインを入れて待っていた 少し遅れて開いたドア 見覚えのある横顔に 思わず顔を上げた僕へ 君も会釈を返してくれた [Chorus] コインランドリーの白い灯り 会話なんてなくてもいい 同じ時間が流れるなら 回る洗濯機みたいに 少しずつ距離が縮まれば 通う理由は洗濯じゃなく たぶん君になっていた 壊れたままの洗濯機も 今では少し愛おしい [Outro] 次に会えたら声をかけよう 「こんばんは」それだけでも 何かがきっと変わるから ぶーんと鳴る自動販売機 静かに回る洗濯機 週末の夜のコインランドリー 回る洗濯機みたいに 僕の気持ちは回ってる 君の隣で回ってる

