
反響室の白昼夢、沈黙の螺旋
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V5.5
液晶の敷居を跨いだ先で 均一な言葉の苗床が揺れる 然り然りと申して首を振る影 同じ色の服を着た幻の群れ 私を肯定する鏡の迷宮 いつしかそれが世界の全てと錯覚し 歪な正義の檻たちの中で 世界は輪郭を失って行く 引かれた境界線の彼方 名もなき他者を悪徳と定義する 大義の免罪符を手に握りしめ 指は爪の先まで凍る 鼓膜を浸すエコーチェンバー 純白で極端なディストピア 1ミリの違いも赦されぬまま 思考は螺旋の底へ落ちてゆく 非国民という魔女狩りは 今キャンセルの礫に代わり 光の格子の相互監視 誰もが沈黙の奴隷となる 暴かれた過去の骸を囲み 私刑の宴が厳かに始まる 正義を貪る群衆の中で 加害の自覚は霧散する 立ち止まろうと一縷の理性 此処に魔女がいると高らかに お前も異端の眷属なのかと 昨日の友が貌を変える 孤立という名の鋭利な病 群れを離るる恐怖に怯え 弾劾の手を汚さぬために 自身の言語を絞殺した 響き続けるエコーチェンバー 終わりなき集団の昏睡 一斑(いっぱん)の違いも赦されぬまま 冷たいスクリーンの前で凍る かつて隣組が光らせた目は いま電脳の集合体へと昇華する 空気という名の透明な檻に 僕らは自ら鍵をかける 接続を断てば静けさなのに 繋がっているから息が浅くなる 彼らの謳う正義は本当に わたしの真実と言えるのかな その壁穿てエコーチェンバー 沈黙の螺旋を踏み外せ 一斑(いっぱん)の違いを恐れるな 違っているからこそ息をする 免罪の武器を地に落とした時 触れる誰かの血の温かさ 掌の大気を拒絶して 孤独な思考を始めよう 此処から始めよう 私の呼吸を


