
ぽちっと開けば 異界のとびら 目を伏せてちゃ 魔王は倒せぬ 膝小僧が震えても 心の剣を抜け はじまる、わたし達の ——あやかし冒険譚 昼下がり、教室の隅 攪拌する沈黙の中 「勇者」は今日も喋れぬまま まなざし逸らして火照る頬 だけど手にしたあの光、 数値の刃はわたしの背に いつもの逡巡を喰らい尽くす 「封じられしこの左腕…疼くぞ…!」 魔法使い様の小芝居に 「また始まったよ」と笑う「遊び人」 だけどまなざしは真剣 夢幻遊戯!現世忘れ 野に咲く百花のように 三人寄れば四次元空間 愛が剣となり魔を裂く ピンクの竜も黒き悪魔も 抱きしめてまた旅路へ 心はいつも、ログイン中 スライムが落とすショーツの欠片 なぜか拾ってドキドキする 「聖剣?いや、性剣だ」 と冷めた顔で語る勇者 でも目は逸らせぬ 遊び人の ゆるめの着ぐるみ抜け殻の裾 夜の会話は、パジャマの中で ぱちんと灯りがひとつ消え 寝息とくすぐりと、笑い声と 首筋の肌温く 「……昨晩は、お楽しみでしたね」 小さな指先繋いで 此の手で創る物語 ドロップ!魔法耐性にぼんやり 遊び魔法、また効かない けれど笑顔って呪文は 何より強き治癒の技だ! 「いつか"賢者"に、なれるのかな…」 そんなこと言って、またあんた ベッドの上で 転げ回って 団子三姉妹、夢と混線 キスは寝ぼけてしただけだし——! 夢幻遊戯!現実よさらば 鍵は心の奥にある レベルはまだまだ未熟でも 愛が魔王を倒すはず 逃避なんて言わせない これは戦いの名を借りた わたし達の——選ばれし余暇 また、朝が来た でもまだ夢の余韻に ログアウトは、少し先 ゲームという名の魂燃ゆる場所へ 今日も行こう、 三人で。

