
[Verse 1] 西日の棚に埃が光る 誰かの指が残した背表紙 読み終えた本は静かすぎて 少しだけ他人になっている あなたが好きだった頁だけ なぜか開き癖が残っていて 物語より先に思い出す 窓辺で笑った横顔を [Pre-Chorus] 知るほどに遠くなるものを 知らないふりで抱えていた 言葉にすれば薄くなるから 今日はまだ閉じておこう [Chorus] 栞のない午後を どこまで読めばいい 続きのない一行が 胸の奥でまだ揺れている 忘れることと 失くすことは違うでしょう 頁を閉じても残るもの それをたぶん 記憶と呼ぶのでしょう [Verse 2] 貸出カードの古い名前に もう会えない人の時間がある 同じ本でも読む人ごとに 少し違う世界になる 正しさだけを集めた棚は どこか息苦しく見えたから 間違えた線も消さないまま 余白に小さく丸をつけた [Pre-Chorus] 答えより先に残るもの 答えたあとで増える問い わからないことをわからないまま 愛せる日もあるのでしょう [Chorus] 栞のない午後を 何度も開いている 読み返すたび同じ言葉が 少し違って見えてくる 戻れないことと 終わることは違うでしょう 昨日の意味が変わるなら 過去もきっと 止まってはいないのでしょう [Bridge] 閉館を告げる鐘が鳴る 窓の光が細くなる まだ読みたい頁がある でも今日はここまでにしよう すべてを知ることより 知らないまま歩くこと あなたがいない世界にも まだ夕焼けは差している [Final Chorus] 栞のない午後を 私は生きていく 続きがあるかどうかさえ 知らないままで頁をめくる 忘れないことと 縛られることは違うでしょう あなたがくれた言葉たちは 私の中で 別の意味を育てていく 読み終えなくていい きれいに閉じなくていい 人生なんてきっと 最後まで 未読を残すものだから [Outro] 本を閉じる 光が残る 窓の向こうで 今日が暮れていく

