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扉の向こう 🚪(演劇部4)

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V6

扉の向こう✨🚪 浅く掛けたパイプ椅子 湿った掌 新しい風は吹いていない 舞台袖のすき間から 少し暗い講堂を覗く 色とりどりの服 居心地の悪さを 隠すような 上がった口角 小声が集まって 場の音ができる サークル紹介 格子窓の先には 新緑のポプラが並ぶ 棒読みの学生会 決意灯る目で 美術部が立ち上がる 目線、空白、声の向き 小芝居を見ながら 去年の私が重なった まばらな拍手 手を握って広げる 部長のまりちゃんも 隣で拍手を送っている 「演劇部」 部室のドアに掛かった かわいらしいプレート 息を整える 湿った掌を一度握る ノックの前に 扉が開いた リンゴの香り 居心地で選んだ部活 秋の講演で 泣く程度には 練習をした 先輩たちを見送った そして今ここにいる 「演劇部」 私たちは 頷き合って駆けだした 手を大きく掲げ 舞台全部を使う 明瞭な声が会場を覆(おお)った 会場はたぶん置き去りだった 恋の季節のシジュウカラ 外から必死な声が聞こえた [Instrumental Break] からっからの青空の午後 ポプラの並木 広がりかけた緑の葉っぱを 見上げながら歩いて戻る 珍しく小(こ)ぎれいな 午後の部室 先輩のまりちゃんと 二人で留守番 新入生を待つ いつものいすに背中を預け 頭の後ろで手を組んでいる すすけた天井 シジュウカラの声 扉の向こうで 新歓の声が通りすぎる 無言の画像交換 たまに噴きだす 扉の向こうで 声が止まった まりちゃんが 軽やかに扉に向かう 窓辺の陽だまり リンゴのクッションたちは のんびりしていた