差し出しかけた 指先だけ 夕暮れどき 家路 急いでいる 人混みの流れで 肩がぶつかる 言いかけた言葉 そのまま消える 横断歩道の 流れの中 ひらりと離れた あの商店街 交わさないまま すれ違って バス停でひとりきり フードを直す "Fading footsteps into the quiet crowd." もういいよね 終わったこと そうつぶやけば 削除できるはず 動いた指さえ 宙を描いて 夜の静けさにただ 立ち尽くしている 近づきたいのに 近づけないまま 絡繰時計を 見つめてる 踏み出すたびに ふり向きそうで 誰かの声が 背中で囁く 言い訳みたいな 短い雨が 見上げた分だけ 頬を濡らす 信号の色が 靴に映って 流れる雨傘 追い越してく 途中下車のまま 距離を測り 行き先だけを 探している "Measuring the distance that never closes." もういいよね 終わったこと そう笑ったままで 歩き出す 振り返りかけた あの店先で 気がつくたび 誰かが笑う 近づきたいのに 近づけないまま 絡繰時計が 時を刻む ねえ、ほんとはね あの夜のまま 笑っていた 言えなかったこと 言わなくていいと 黙っていた 鮮やかな空に 立ち止まって 流れる景色が 息を合わせ 忘れかけた あの仕草が まだ胸の奥で 熱を引かない 横目に映る 一足早い広告 ひらりと避けた あの距離感 触れられないまま 通り過ぎて 行き場のないまま 夜が続く "Lost in the neon light of the frozen past." もういいよね 終わったこと そうつぶやいても 変わらない 差し出されかけた あの掌が まだ記憶の隅に 残っている 近づきたいのに 近づけないまま 足取りだけが もつれている 二人で選んだ 指輪だけ 輝いたままで 残される 人混みのすき間 すり抜けながら 終わったことだと 言い聞かせる 絡繰時計が 前に進む