(ねえ) (……きこえた?) 夜の廊下の 突き当たり 灯りを消した そのあとに 裸足の音が ひとつずつ 階段の下へ 降りてゆく 誰もいないと 知ってても 確かめないで 戸を閉めて 子供の声が 聞こえても 返事だけは しないこと (ひとりじゃないよ) 時計が二時を 指すころに 三つ数えたら 声がする ひとつ ふたつと 近づいて (みっつ) 知らない名前を 呼んでいる 声がしても 答えないで 名前を呼ばれても 振り向かないで すぐ後ろで 笑っていても それが誰かを 見ないで 聞こえた? いま 聞こえた? あなたの後ろで 誰かが笑った 聞こえた? まだ 聞こえる? あれはあなたを 呼んでるんじゃない だから 振り向かないで (ねえ) (こっち) (……いま、うしろ) いま聴いている その音を 少し止めても かまわない 部屋の中には あなたしか いないはずなら それでいい 右から聞こえた その声は 気のせいだから 忘れてね さっきと同じ 笑い声 もう一度だけ 聞こえるよ イヤホン外して 確かめて 何もなければ 戻ってね でも戻ったら 気をつけて (増えてるよ) さっきはひとり だったから 声がしても 答えないで 名前を呼ばれたら 黙っていて もしもあなたが 返事してても (したよ) ……聞かなかった ことにして 聞こえた? いま 聞こえた? あなたのすぐそば 誰かが笑った 聞こえた? まだ 聞こえる? あれはいつから そこにいたんだろう だから 振り向かないで (まだ?) (もういい?) (きこえる?) (きこえるよ) 聞こえるよ もう 聞こえるよ あなたの後ろで ずっと笑ってる 聞こえるよ まだ 聞こえるよ 最初にこの歌を 聴いたときから 振り向かなくていい 確かめなくていい だってもう 後ろじゃないから 聞こえるよ ほら 聞こえるよ 名前を知らない はずだったのに (みつけた) (もう一回きいて)