
カレンダーに引いた 赤い印を 指先でなぞって ため息ひとつ 「まだ、先のはずなのに…」 お揃いの靴も 選んだスカートも 今日はクローゼットで お休みだね 鏡に映る 冴えない顔が 申し訳なくて また俯く 「何で今回はこんなにキツイの…」 震える指で 送ったメッセージ 「ごめんね、今日は行けそうにないや」 既読がついた その瞬間に 胸の奥が ぎゅっと痛んだけど すぐに届いた 優しい返信 「気にしないで」って 君は笑う 画面越しでも 伝わる温もり 「ゆっくり休んで」 その一言が 痛むお腹に 優しく溶けていく 特別な場所へは 行けないけれど 君の言葉が 一番の特等席 呼び鈴の音に 顔を上げれば ドアの向こうに 見慣れた笑顔 「一緒に映画でも観ようよ」 ビニール袋に 詰め込んだのは 温かい飲み物と 私の好きなアイス 「顔が見たかっただけ」なんて 不器用な嘘に 救われてる 「お家デートもいいよね」って ごめんねって言うたび 君は首を振って 「次は何処へ行こうか」って 明るく話す 「気にしないで」って 君は笑う 曇り空さえ 晴らしてしまうように 毛布にくるまり 隣で聞く声 何より心強い 魔法の薬 記念日じゃない 何気ない今日が 一番大切な 思い出に変わる 予定通りの デートじゃないけど 今の私には 何より贅沢な時間 君の優しさに 甘えていいかな もう少しだけ このままで

