
次の雪まで
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V5.5
冬の夜だけ わたしはいる 街明かりに 雪をほどいて 白い息さえ しずまる夜に 人の世界を そっと歩く 春の匂いが 遠くですると わたしの形は 薄くなる 消えていく夜 あなたはふいに 立ち止まった 「寒くないの」と 笑う声が 雪より静かに 胸へ落ちた ねえ わたしは雪で できてるんじゃない ただ長い冬に 名前を預けて 夜を歩いてきただけ あなたが名前を 呼んでくれたから 初めて夜が 怖くなかった 次の雪まで あなたを待ってる 春が来ても 終わりじゃない 冬の夜だけ ふたりの名前を 白い息で 結びましょう あなたが見つけた 白いわたしを わたしはそっと 好きになれた ふいにあなたが 肩を抱いて 思ったより 冷たくないね その一言が 雪の奥まで 春みたいに しみてきた 晴れた昼には 会えないけれど あなたは冬を 待つと笑った 夏の青さも 秋の夕暮れも わたしは遠くで 見ているだけ だけど 待てる人がいるなら 冬はもう ひとりじゃない 次の雪まで あなたを待ってる 春が来ても 終わりじゃない 冬の夜だけ ふたりの名前を 白い息で 結びましょう あなたが見つけた 白いわたしを わたしはそっと 好きになれた 雪が溶けても 恋は消えない また冬が来て あなたに会えたら 一番初めに 名前を呼んで 冬の夜だけ わたしはいる 次の雪まで あなたを待ってる

