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歩く速さの理由

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朝の駅前 紙コップ 湯気だけが 正直で 目を合わせない 人の波 それぞれに 理由がある 急ぐ人 立ち止まる人 同じ空の 下なのに 靴音ひとつ 違うだけで 背負う一日が 見えてくる 強い声は 風みたいで 弱い心を 隠してる 怒りはいつも 前に立ち 不安は 後ろで震えてる 黙ってる人の 手のひらに 消えかけの 我慢がある 誰にも届かないまま 今日もまた 握られてる 人はみんな 物語を 胸の奥に 抱えたまま 正しさよりも 事情の数で 歩く速さが 決まってく 観察するほど 分からなくて 分からないほど 優しくなる この街で すれ違うだけで 少しずつ 似ていく僕ら 笑ってる顔の 裏側で 疲れが 椅子に座ってる 夢を語る声の 隙間に 諦めが 息をひそめる 誰かを羨む その瞬間 自分を 置き去りにして 比べるたびに 遠くなる 本当の 行き先から 観ているつもりで 映っていたのは いつかの 自分の背中 人はみんな 物語を 誰にも見せず 進んでく 失敗も 言い訳も 全部まとめて 今日になる 観察するほど 裁けなくて 裁けないほど 人になる 名前も知らない あの人も 同じ夜に 帰るんだ 夕暮れ 信号待ち 赤から青へ 変わるだけ それでも一歩 踏み出すたび 人生は 続いていく