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十七音のスケッチ

V5.5

かたり 風鈴が鳴る 午後の窓辺 広げた 短冊の白さに 木漏れ日が 斜めに落ちて 墨の匂いが ふっと立ちのぼる   見慣れた 街並みのすきま 遠くで 誰かの呼ぶ声 机の上の 小さな影が 五つの音を 静かに待っている   さやかに 風が吹き抜けて 切り取られた青 十七音の余白に めぐる季節を そっと浮かべれば 見慣れた景色が 新しく色づいてゆく     乾いた落ち葉 さくっと踏みしめる音 茜色の空 染まる電線の上 鳥が一羽 飛び立つ瞬間を 指先で 言葉に紡いでみる   重ねた短冊 並ぶ文字たち それぞれの瞳が見た 今日の空 迷いながら 選んだ季語が 胸の奥の つぼみをほどいてく     秋風や 机に並ぶ 白短冊 静寂が 光を連れてくる   さやかに 風がさらってく 重ねた言葉 響きあう句会の午後 七つの調べ 結びあわせたら 世界の輪郭が 鮮やかに澄みわたる   言葉の余韻 空に溶けて 風の音だけが 残ってゆく