
拝啓 愛しき人へ 希望を持ちながらも ただ心の一隅に 今まであなたにお礼を 言ふ言葉以外の何物でもない 散って征く男子として 愛する人に少し言って征きたい 「あなたの幸せを希ふ以外に何物もない」 1945 今では分かる終戦記念日 あと少しで終わる日々 でもそれは今だから分かる意味 彼らの愛する人にも会えたのかな 四月 卯月のある日 終わりはすぐそこまで来ていた でもそれは到底分からなかった 神風の魂 風に乗せて 貴方にも届けたい 拝啓 母上様 十分な孝行も出来ぬまま 先にいくのが心残りなのです 私は今 眼下に故郷を見下ろしています 最期の挨拶に 空の上を飛んで征きます それを今生の挨拶とさせてください 八月十五 それは訪れた 敗戦を告げる宣言 彼らの魂 少しでも知りたい 過去の事と風化させてはならない 操縦桿を握り 彼らは孤高の風になった 家族を守るため 愛する人を守るため その事実を忘れてはならない その気持ちを持った人達がいた それを忘れてはならない 賛美や称賛 批判や愚弄 そんな小さいもんじゃない そんな浅はかなことでは語れない 征くしかなかった 環境がそうした 征くしかなかった 家族や愛する人を守るために どれほど辛かったろう 筆舌しがたい思いがこみ上げる そんな彼らが 九段の社で 今年も綺麗な桜を咲かせる

