駅前のパン屋から 焼きたての匂いがして なんでもない話をしながら 僕らは少し遠回りした 自販機で買った炭酸 開けた瞬間こぼれて 「何してんの」って君が笑う それだけで今日は当たりの日だ 大きな夢を語れるほど 僕はまだ強くないけど 守りたい瞬間なら こんなにも増えていく 君が笑った帰り道 いつもの街がきれいだった 特別なことなんて ひとつもなかったのに 忘れたくないと思った 理由なんてわからないまま 幸せってもしかしたら こういう日のことなのかな 横断歩道の向こう 手を振る君が小さくなる じゃあねって言ったそのあとも なぜか振り返ってしまった 嬉しいことは気づけば すぐ思い出に変わるから ちゃんと今を見ていたい 僕はそう思うようになった うまくいかない日もある 自分が嫌になる日もある それでも誰かの笑顔ひとつで もう少し歩ける日がある 君が笑った帰り道 夕暮れが街を染めていた 明日になればきっと また普通の日が始まる それでいいよ それがいいよ 何気ない今日が愛しい 失くしてから気づく前に 今ここで覚えていたい いつか僕らが 違う道を歩いても 今日のくだらない話まで 忘れないでいられたらいいな 君が笑った帰り道 僕もつられて笑っていた 世界を変えるような 出来事じゃなかったけど 僕の世界は確かに ほんの少し変わっていた 幸せってきっとこんなふうに 名前もなくやって来る また明日って言えること それが嬉しかった ただそれだけで 今日はいい日だった


