
クーリーフンはでかい麻袋を開けていた。 「何を持ってきたの?」 ゆりはベッドから降りてクーリーフンの横に移動した。 「ここに置いていい?」 クーリーフンはベッドを示している。 「うん」 クーリーフンは中に入っていたものをベッドの上に並べた。 でかいオレンジが5個、黄色いグレープフルーツのようなものが5個、30㎝ほどの長細い革袋が一つ、20㎝ほどの液体が入っている小瓶が一つ、 最後に10㎝くらいの丸っこい皮袋を一つ置いた。 ゆりは大きい方の革袋をつついてみた。何かの液体のようだ。水を入れて持ち歩くような入れ物で、栓がついている。 「こんなに一杯どうしたの?」 「売りに来たの」 「ええー?」 「冗談だよ。今回のお祝いにいろいろもってきたんだ。あまりすごい物は持ってこられないし、そこそこのものであなたが喜びそうなものをお母さんが 選んだんだよ。これは太陽の石だよ。なんとずっと熱を発する石でね、人間界では結構な値段で取引されてるんだよ」 クーリーフンがゆりに小さめの袋を渡した。 「あ、あったかい」 結構重かった。中はやっぱり石のようだ。平べったい石が3つ入っている。分厚い皮の巾着袋に入っていた。 「じかに触っちゃだめだよ。やけどするからね」 「すごいね。人間界でも売られてるの?」 「西の聖域の土産物屋で、これの半分くらいのが売られてるよ。あっちは一年しか持たないけど、これはもっともつんじゃないかな? 一生は無理だけど、面白いかなって思って、お母さんがアリアスからもらってきた。こっちの果物もちょうど神殿にあったんでもらってきたって」 「はあ」 「それでこっちがダーナからもらった美容液。シミとかしわにいいって。ダーナからもらった」 「なんでダーナから? ガーベラだってこういうの作れるんでしょ?」 「あ、知らなかったっけ。今回出てきた7人の妖精はさ、アリアスとダーナの子供だったんだって」 「はあ?」 ゆりは美容液を持ったまま、大きく首をかしげていた。 「生まれないで何千年も虹の中に閉じ込められていたんだってさ。それを見事ラーズとガーベラが出したってことになってる。だからアリアスと ダーナからもらったわけ」 「そうなんだ……」 ゆりはぼんやり言った。 「じゃあ、ラーズにはまったく関係なくて、私はあの時あんなことしなくてもよかったの?」 「あの7人はラーズにも近い妖精だからね。関係なくはないよ。それでこれが重かったんだよ。お酒。お母さんが、王様にってさ。瓶だとあまり持ってこれないからね」 クーリーフンは皮袋を指した。2リットルは入ってそうである。 「お酒なんだ。ガーベラがくれたなんて言ったら、王様はもったいなくて飲めないかもね」 「それじゃ確かに渡したよ。あー疲れた。じゃあ僕は帰る」 クーリーフンが肩をなでながら帰ろうとしたとき、壁を通り抜けてぬっとハロルドが現れて、クーリーフンは「わっ!」と驚き、思わずゆりの後ろに隠れていたのだった。

