
Boundary Encounter [混沌] #CF3E [STORY]
Cyber Force 3rd Evolution楽曲募集中 詳しくはこちらのURLを参照 https://suno.com/song/b7a0861c-96d3-4526-800b-38f88dc81ce9 混沌曲のプレイリストはこちら Vol.1 https://suno.com/playlist/7d4c3b67-4d3c-4538-a20d-f03ab313e6fe Vol.2 https://suno.com/song/3d281fd9-7751-4632-ac8e-3b550ce0e741 前回はこちら https://suno.com/s/QB8ujNPrC1sakVLa 《Boundary Encounter》 【境界荒野/戦域】 赤い残光が、大地の割れ目からまだ滲み出ている。 荒野そのものが、不規則に脈打っていた。 瓦礫の中。 ラクリアは、ほとんど崩れ落ちるような姿勢で立っていた。 装甲は焼け、関節部は歪み、 防御フィールドの再展開反応も、もはや返ってこない。 ラクリア:「……っ……」 そのとき、二つの反応が空間に割り込む。 白の転移光。 そして―― 黄と紫が混じり合った、異質な干渉反応。 アルヴェイルが先に着地し、即座にラクリアの前に立つ。 アルヴェイル:「ラクリア、応答を。撤退可能ですか」 ラクリアは顔を上げ、 次の瞬間、完全に動きを止めた。 ラクリア:「……え……?」 視線の先。 アルヴェイルの背後に立つ存在。 子供体ではない。 だが、大人体とも言えない。 成長途中で固定されたような輪郭。 以前とは明らかに異なるシルエット。 ラクリア:「……ジ……ト……?」 声が震える。 ラクリア:「……ジトリックス……?」 ジトリックス:「……ラクリア……」 その声を聞いた瞬間、 ラクリアの表情が驚愕から理解へと変わる。 ラクリア:「……そっか……」 ラクリア:「……復活……したんだ……」 一瞬、力が抜けたように笑う。 ラクリア:「……びっくりしたよ……」 ラクリア:「……急に……見た目……変わりすぎ……」 それから、はっきりと告げる。 ラクリア:「……でも……よかった……」 ラクリア:「……おかえり、ジトリックス」 ジトリックスは、短く頷いた。 アルヴェイル:「ラクリア、これ以上の滞在は危険です。即時帰還を」 ラクリア:「……分かってる……」 ラクリア:「……この状態じゃ……もう……戦えない……」 視線が、荒野の奥へ向く。 赤い光の中心。 そこに立つ影。 エルフレア。 ラクリア:「……エルフレア……」 アルヴェイル:「現在も行動中。自我反応は確認できません」 ラクリアは歯を噛みしめるが、何も言わない。 アルヴェイルはラクリアを支え、即座に転移座標を展開する。 ラクリア:「……ジト……」 ラクリア:「……無理……しないで……」 ジトリックス:「……うん」 白い光が収束し、 ラクリアの姿は戦域から消えた。 --- 荒野に残ったのは、三人。 赤。 白。 そして、黄と紫。 エルフレアは、周囲を見回していた。 探している。 誰かを。 エルフレア:「……ニジェラ……」 エルフレア:「……レガリス……」 感情はない。 ただ、目的だけが残っている。 アルヴェイルは一歩前に出る。 アルヴェイル:「エルフレア。これ以上の行動は推奨されません」 返答はない。 次の瞬間、 赤い衝撃が、正面から叩きつけられる。 アルヴェイルは即座に迎撃。 そして、アルヴェイルの装甲が展開する。 フォームが切り替わり、 =NULL=発動用フルアーマー形態へ移行。 防御と回避を織り交ぜ、正面から受け止める。 衝突。 出力は拮抗している。 エルフレアは攻撃を止めない。 だが、アルヴェイルも一歩も引かない。 エルフレア:「……邪魔……」 アルヴェイル:「あなたを止めるためです」 再び衝突。 その間合いを見て、 ジトリックスが動く。 ジトリックス:「……エル……」 攻撃ではない。 足止めを狙った干渉。 髪が伸びる。 紫を帯びた束が、エルフレアの動きを縛ろうとする。 ――弾かれる。 うまくいかない。 もう一度。 角度を変える。 回避される。 もう一度。 タイミングをずらす。 今度は、わずかに捉える。 だが、すぐに振りほどかれる。 ジトリックスは後退するが、止まらない。 何度も。 試しては失敗し、 試しては修正する。 そして―― 一瞬。 ジトリックスの干渉が、 エルフレアの動きを確実に止めた。 ジトリックス:「……今……!」 その瞬間。 アルヴェイル:「――了解」 アルヴェイルから高出力のエネルギーが解き放たれる! アルヴェイル:「=NULL= 行使開始」 無色の演算が走る。 だが―― 拘束が、解ける。 ジトリックス:「……っ……!」 エルフレアは=NULL=の範囲から外れてしまい、 完全な=NULL=行使には至らない。 『不完全な=NULL=』 世界の破綻は抑えられた。 だが、完全な初期化ではない。 エルフレアの動きが止まり、 次の瞬間、自我だけが浮上する。 エルフレア:「……は……?」 だが、その瞳に宿るのは、 まだ消えきらない執念。 アルヴェイルは膝をつく。 アルヴェイル:「……エネルギー……枯渇……」 ジトリックスも弾き飛ばされ、 地面に転がる。 ジトリックス:「……エル……」 ジトリックス:「……ジト……復活……した……」 必死に立ち上がり、告げる。 だが―― エルフレアは、静かに首を振った。 エルフレア:「……もう……手遅れよ……」 赤い光が、再び集束する。 エルフレア:「……ニジェラと……レガリス……」 エルフレア:「……あいつらを……壊す……」 視線が、二人へ向く。 エルフレア:「……邪魔するなら……」 エルフレア:「……あなたたちでも……容赦しない……」 荒野に、再び緊張が満ちる。 【中枢維持区画/監視セクション】 静かな室内。 壁面いっぱいに展開されたホログラムには、 境界荒野の戦闘映像がリアルタイムで映し出されている。 赤い奔流。 崩れ落ちるアルヴェイル。 弾き飛ばされるジトリックス。 ラクリアは、無言でそれを見つめていた。 拳を握りしめたまま、動かない。 ラクリア:「……そんな……」 映像の中で、NULLが不完全に終わる。 完全な初期化には至らず、 エルフレアが再び赤い出力を集束させる。 ラクリア:「……まさか……」 ラクリア:「=NULL=が……失敗するなんて……」 DIMEN-TIAは、沈黙したまま映像を見ている。 演算ログはすでに彼女の中で解析され尽くしていた。 DIMEN-TIA:「……ええ」 DIMEN-TIA:「想定内では……ありませんでした」 一拍。 DIMEN-TIA:「このままでは、二人とも消耗しきります」 DIMEN-TIA:「戦線は、すでに限界です」 ラクリアは、はっと顔を上げる。 DIMEN-TIA:「……こうなった以上」 DIMEN-TIA:「もう、私が行くしかありません」 その言葉に、ラクリアが即座に反応する。 ラクリア:「――だめ!!」 振り返り、強く言い切る。 ラクリア:「母さんが中枢を離れたら……!」 ラクリア:「世界維持の演算が崩れる!」 ラクリア:「今の状態でそれをやったら……!」 DIMEN-TIAは、ラクリアを見る。 DIMEN-TIA:「……分かっています」 DIMEN-TIA:「だからこそ、迷っているのです」 一瞬、 中枢の照明がわずかに揺らぐ。 そのとき―― 短い警告音。 アルヴェイルの回線ではない。 境界由来でもない。 ラクリア:「……?」 ラクリア:「この通信……どこから……?」 DIMEN-TIAの視線が、ホログラムの一点に固定される。 DIMEN-TIA:「……これは……」 通信ウィンドウが、静かに展開される。 ――つづく https://suno.com/s/k1KNIh5tiA6hKVq2

