[Intro] [Verse 1] 店の奥で青く沈んだ ずいぶん気取った形をして 空っぽだったあの部屋には 少しくらい邪魔でよかった 眠れるなんて嘘だった 朝には首を押さえて笑った それでも夜が帰るたび 身体は左へ傾いた [Verse 2] いつもの場所だけ低くなって 肘のあたりだけ艶めいて 名前もない細い傷を 今さら指で拾っている 何年分かも分からない 僕の形が残っている 立ち上がっても手のひらだけ まだ木の上に残っていた [Pre-Chorus] 箱がひとつ消えるたび 白い壁だけ増えていく 最後に青だけ残った やけに大きく見えた [Chorus] 持っていけないだけなのに どうしてこんなに重いんだ 沈んだ布を押してみる 指のあとから戻っていく 何千回も聞いた音を 今日は鳴るまで待っていた [Verse 3] 昨日測った壁の幅を 今日も画面で見直した 少しずらして 向きを変えて それでも青は入らない 「次はこれです」 呼ばれた声に顔を上げる 返事くらいはできるのに 声だけ少し遅れていった [Pre-Chorus 2] 軽くなっていく部屋の中 ひとつ残るほど重くなる 鍵を握って また離して もう一度だけ 腰を下ろした [Chorus] 持っていけないだけなのに いつもの深さまで沈んで 肘掛けに腕を預ける 立とうとして 少し姿勢を変えて 結局そのまま もう一度沈んだ [Bridge] 鍵はある 箱もない 呼ばれた声も聞こえてる 立てば終わる ただそれだけ だから一度 深く沈んだ [Final Chorus] 肘の艶を指で辿って 途中でやめた 立ち上がれば いつもの軋みがひとつ鳴る 持っていけないだけなのに それだけなのに ドアのところで鍵を握る 今度は 振り向かなかった [Outro] 開いたドアの向こうへ 深い青が消えていく 見えなくなってから 鍵を握った 「あの……すみません」