
歯科助手日記3(薄青色の音色🎐)
薄青色の音色🎐 -Lyrics- [Verse 1] 茜さんの髪留めがゆれている 控室の午後 私も手早く私服に戻る 医院の外 涼しい風が抜ける 燈さんが言ったとおりの晴れ 速足で電車に乗った 少し離れた茜さんたち 「わんこそば」が聞こえた 私は少なめの昼食で備えてる [Verse 2] 先生が笑う 「大学の後輩なんだ」 歯科矯正医の大森さん 正面で窮屈そうに座っている 夕暮れに薄青の風鈴が揺れる しめ縄の大きなクスノキを横目に 狐顔の男について暖簾をくぐる 奥から鈴のような声がした [Pre-Chorus] 素朴な調度品 畳の小部屋 小鬼っぽいお重が置かれる 大森さんはお重を覗きながら 大きな手で数字をつくる どんぶり七杯は軽いそうだ 目標は二百杯 燈さんは微笑んでいる クスノキの香が漂う [Chorus] お椀をもった双子の子狐 薄青の前掛け 同じリズムで揺れている おわん五個でおはじき一個 指で弾いて おはじきチャリーン 優しい味のそばを楽しむ 天ぷらがおいしい [Verse 3] 「七十杯」 苦し気な先生の声 しっぽはもう 先も動かない 薄青の双子は手慣れた動き 身体を揺らして おはじきチャリーン 淡々とすする 大森さん お椀の山が高くなる チャリーン 私はそっと蓋をして天井を見る 手を後ろについて 茜さんたちとくつろいでいる 先生も蓋をして 足を放り出す [Bridge] 燈さんの前にも 空のお椀が静かに重なる それでもしっぽに変化はない ゆっくり描く弧を目で追う 大森さんの箸は 下を向き 初めて肩が落ちていた 百杯で蓋をしようとして 百八杯まで注がれていた チャリーン 双子はまだゆれている するするり [Final Chorus] 誰も数えていないうちに 燈さんも百杯を超えていた たおやかなしっぽのままだった するするり 小さな箱を持つ狐顔の男 二人は薄青色の風鈴を受け取った 双子の姿は見当たらない [Outro] 今も歯科医院入り口で するするり 薄青色の音色 …チリーン

