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ダンピールと蛇の姫様

むかしむかし、ある町に 人と魔物、二つの血を引いた  ダンピールの青年がいました 月が昇るたび 青年は夜の町へ出ます 助けを呼ぶ声がすれば 暗い路地へ駆けました 人を襲った魔物なら こらしめて追い払います けれど、朝になるたび 人々は彼を指差し、嘲笑(わら)いました 鬼が嘲笑(わら)いました “TAINTED BLOOD” 亀が嘲笑(わら)いました “WHAT A CHEAP ACT” 熊が嘲笑(わら)いました “YOU’RE MAKING ME YAWN” 龍が嘲笑(わら)いました “JUST END ALREADY” そして誰もが言いました “WE DON’T NEED YOU HERE” ある夜、馬車が訪ねて来ました 窓の向こうから懐かしい声 そこにいたのは 幼馴染の蛇の姫様でした 姫は小さく言います “People frighten me.” “But I want to see the town.” 折しも今夜はハロウィン 青年は姫の手を取り 町へ連れ出しました Trick or Treat 鐘が鳴り 灯りの町をふたりで歩きます キャンディを分け合えば 姫は嬉しそうに笑います 本物の怪物さえ仮装に見える 夜でした でもその時、強い風が吹き 姫のフードが外れてしまいます 青い瞳、蛇の鱗 “A MONSTER!!!!” “IT’S REAL!!!!” “SEIZE HER!!!!” “BURN HER!!!!” 人々は松明を手に ふたりを取り囲みました 青年は考えました 答えはずっと決まっていました けれど今夜は 人々は群れ、姫はひとり 青年は静かに尋ねます “Then tell me……” “Who is weaker tonight?” 人を虐める魔物がいれば 夜のダンピールが現れる 魔物を虐める人がいれば 夜のダンピールが現れる 長い時が過ぎ 町ではそんな話が 語られるようになったのでした