
肩で息をして 君はうずくまる 駆け寄った指先は 空を切るだけ ほどけた髪には 風だけが触れた 濁った熱が 喉で絡まる 手を離した 指先のぬくもりが 胸の奥まで 鋭く食い込む これは僕の報いだ この痛みが 僕を壊す 誰より深く 夜の底に沈む君 冷たい夜風が 容赦なく 頬に残った熱まで攫う 僕はまるで 鬼灯の殻 誰にも気付かれず 朽ちていくだけ 震える夜ほど 身を小さく畳んで 君は柔らかな腕に 深く爪を立てる 薄紅色の跡が まだら模様を描き出す 増え続ける 悲しいしるし 静かに灯る 鬼灯が好きだと 君は笑って 僕の手を引いた これは何の因果か 僕にそれが できるだろうか 世界は 息を呑むほど他人事 手を伸ばさなければ 夜に埋もれてしまう せめて鬼灯の灯りだけは 暗闇の中の君を そっと照らしてほしい これ以上 暗闇に飲まれる前に 僕の影なら もう追わないで 掌の赤い実だけ 胸にしまって 悲しいしるしは 僕が連れていく どうか世界が 君に気付きますように これ以上 暗闇に飲まれる前に 僕の影なら もう追わないで 悲しいしるしは 僕が連れていく 世界が君に気づくまで 鬼灯よ 暗闇の君を照らせ 照らせ...

