
路地裏の古びたドラム缶 まったく人間は物語を知らないと 煤けた黒猫が言った 昨日のゴミを漁りながら 風に乗り舞い踊る新聞紙 悪者は叩きのめしゃいいんだとさ 黒猫は呆れて笑った 投げられた石をかわしながら あれが物語だというのか? 屍を踏みつけた人間の 高らかな勝利宣言が? これも物語のつもりか? 英雄気取りな人間の 誰かを殺せという号令が? 空に爪を立てる有刺鉄線 まったく人間は歌うことを知らないと うらぶれた烏が言った スズメたちを睨みながら うなりながら空を飛ぶAirplane 爆弾をどこかに落とすつもりだとさ 烏はニヒルに笑った 遠いどこかを見つめながら あれが歌だとでもいうのか? 声が大きいだけの人間の 着飾った承認欲求が? それで歌っているつもりか? 数だけご立派な人間の 近視眼的誇大妄想が?

