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緑の鼓動

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V5.5

 コロナ禍の混乱の中、2か月近く入院していた祖母に会えたのは、「最後の時間」だけでした。  面会時間が過ぎた家族のみの病室で、命の数値が減っていくモニターをぼんやり眺めながら、祖母との日々を思い返していました。今思うとそれは、私自身の今後が徐々に形を成していく時間でもありました。  想いの継承とは、おそらく受け取る側のただの思い込みなのでしょう。しかし、一生忘れられない時間の中で、そこにいなければ持つことのなかった想いはあると感じています。  私自身の言葉ではうまく表現できなそうなので、視点をベッドサイドモニターへと移しています。 -Lyrics- [Verse 1] 僕の光 指先を包む 静かな夜に 波形が揺らめく 92、58… 胸奥の小さな鼓動 声にならなくても 確かに響いている [Pre-Chorus 1] 白いカーテン 桜の窓辺 夜が来ても 僕は瞬いていた 「もう少しね」と 小さく笑った声 わずかな上下を 数えていた [Chorus 1] あなたの手に 光が返る瞬間 僕の緑も そっと波打つ 数字の隙間に触れたぬくもりが 胸に広がり ここでずっとログを残している [Verse 2] あなたを囲む 重なる声たち 82、48… 浅く満ちる息の色 それでも温もりは 消えはしない 深く胸の奥に 静かに宿る [Pre-Chorus 2] あなたの面影を持つ 制服の少女 頬に触れる 幼さを脱いだ手 零れる声に 滲む記憶 一つ一つが 受け渡される [Chorus 2] あなたの手に 力が宿る瞬間 僕の緑が やさしく光る こぼれた涙の奥で 言葉にならない想いが満ちていく 胸の奥の光 僕だけが知っている [Bridge] 58、38… アラームを潜めて やがて静かに灯る、ゼロ 消えたわけじゃないと 僕は知っている その温もりは 波紋のように 心から心へ 鼓動を映す [Final Chorus] 冷たい数字が 静かにほどけたあと 僕の緑は 祈るように揺れていた 残されたのは 消えないもの 握った手に 確かなぬくもり それは今も 生き続けている [Outro] 静かな朝に 旋律だけを残して 緑はそっとそよぐ 波形のない画面に 朝が映る ※歌詞にある数値は、順に酸素飽和度、脈拍数を表しています。