午前三時の交差点 白線だけが浮かんでいる アスファルトに滲むネオン 誰の顔も思い出せない 水滴だと思っていた 窓を叩くその音は 途切れた会話の残響みたいに 部屋の奥で増えていく 君の声は遠すぎて 雨粒みたいに割れて 拾い集めるたびに 指の隙間から消えた 聞こえない 聞こえない 雨のせいで 聞こえない 聞こえない 僕のせいで 君の声が ノイズになる 降り続けるノイズの雨 視界を白く塗り潰して 名前も記憶も輪郭も フィードバックの中へ消えた 息が詰まるほど美しく 壊れていく夜の街で 僕らはもう言葉より先に 轟音だけで繋がっていた ああ 白く 白く 滲んでいく 排水溝へ流れていく 昨日までの感情 傘を叩くリズムだけ 心臓みたいに残っている 光るビルの窓すべて 水み面なもみたいに揺れて 世界全体が歪んだアンプみたいに 低く唸り続けていた もう区別できない 雨なのか ノイズなのか 記憶なのか 君なのか 耳を塞いでも まだ降っている 胸の奥で まだ鳴っている 壊れた空から 白い音が降る 君の名前だけ 最後まで濡れていた 降り続けるノイズの雨 空まで深く歪ませて この身体もこの夜さえも 白い嵐へ溶けていく 見えなくなるその瞬間 初めて綺麗だと思った 崩れ落ちる世界の中で 静かに耳鳴りだけが残った 聞こえない 聞こえない 雨のせいで 聞こえない 聞こえない まだ綺麗で