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微睡む月に、ひとつ嘘

V4.5+

ぼくらの村に夜が来た 銀の鼓動が 地を撫でる ほころぶ灯り 丸い窓 猫も鳴かない夜の詩 風が囁く不思議なおとぎばなし 「この村には、鬼が棲む」と おばあちゃんの編む毛糸の隙間 ひとしずく 紅が落ちた 気づけば朝 広場に叫び 土の匂いにまじる鉄 誰がやったの? どうしてなの? 泣きじゃくるリンゴ売りの子 村長さまが言ったこと 「人狼が紛れている」と 占い師は 月を睨み 霊媒師は 土を撫でる 騎士の手には 震える祈り なにも知らない私は 村人A 死にたくないよ お願い 誰にも嫌われたくない 今日の疑いは、私じゃない よね? さぁ、名前を呼ぶの 処刑の鐘が鳴る 朝がまた 罪を洗い流す 今夜は誰が、いなくなるの? 隣にいた あの子の部屋 窓枠に残る小さな爪痕 おかしいな、爪などなかったのに いつのまにか 仲間さえも 疑わずにいられない でも私はただの村娘 ひとを食べるなんて、できない 数字が減っていくたび 心までも軽くなるの じっと見られるたびに 小さく笑って、目を伏せる そういえばこの前の晩 占い師さんが消えたんだ きれいな目だったなぁ…… 明日は誰とお話ししよう? 生きていたかっただけで 悪いこと、してないはず 怖がらせた? そんなつもりじゃ ないのに…でも誰も信じてくれない 鐘が鳴る 明日もまた エゴと正義が食卓を囲む 数えてみたの、村の灯り 残りは……たったの“ひとつ” あれ? どうして涙が出るのかな おかしいな、私なのに やっと、平和にこの村で暮らせるんだ 平和がおとずれたんだ……. ――なんてね。 ただひとり、残された、少女の“正体”は..........