『VOLUME MAX』 ケンタ — G組スピンオフ/前日譚 【イントロ – カセットノイズ/校内放送】 ブツッ……ジジジ…… 校内放送: 「注意してください……校内では静かに――」 グリコ: 「……ケンタ。」 ケンタ: 「……はい、先生?」 グリコ: 「この古い記録に、あなたの名前があるんだけど……説明してくれる?」 沈黙。 ケンタ: 「……なんの記録ですか?」 ジジッ…… 録音された声: 「規律違反記録――『ボリューム・マックス事件』。」 ケンタ: 「……ああ。それですか。」 【Verse 1】 俺がこのクラスに来る前、 すべてが始まる、そのずっと前。 俺は「騒音王」と呼ばれてた。 トラブルメーカー、それが俺だった。 ギターをカバンに突っ込んで、 どこから拾ったかわからないケーブル。 自作のアンプを抱えて、 いつだって音量はフルスロットル! みんなが言った。 「ケンタ、音を下げろ!」 俺は答えた。 「聞こえねえよ!」 ただ壁を震わせたかった。 ただ、もっと強く存在したかった。 だけど、ある夜―― 俺は限界を越えた。 そして学校中が、 揺れるほどの大騒ぎになった。 【Pre-Chorus】 明かりが一斉について、 先生たちが駆け込んできた。 俺はスピーカーの陰に隠れて、 全部忘れると誓った。 この過去を埋めてしまおう。 名前も、場所も、全部変えよう。 そう思ってたのに…… 過去の記憶は、 そう簡単には消えてくれない。 【Chorus】 VOLUME MAX! 過去なんか黙らせろ! VOLUME MAX! もう二度と聞きたくない! 俺は間違えた。 やりすぎたこともある。 だけど、あの間違いの奥には、 俺が探していた何かがあった。 VOLUME MAX! もし全部バレたとしても…… 俺はもう、 昔の俺には戻らない! 【Verse 2 – コメディ】 グリコ: 「つまり……校内の音響システムを勝手に使ったのね?」 ケンタ: 「正確に言えば……はい。」 グリコ: 「それで、式典の最中にライブを流した?」 ケンタ: 「正確に言えば……はい。」 グリコ: 「それで、アンプを三台も壊した?」 ケンタ: 「それは……元々かなりヤバかったんです!」 グリコ: 「ケンタ!」 ケンタ: 「……すみません。」 ユイ: 「私はカッコいいと思う!」 グリコ: 「あなたは黙って!」 モモ: 「もうその頃からG組の魂を持ってたんだね!」 ケンタ: 「……G組?」 沈黙。 グリコ: 「そこが一番心配なのよ。」 【Verse 3】 そして彼女は見つけた。 古い棚の奥に隠されていた、 一本のカセットテープ。 そこに書かれていたのは、 たった一言。 「ボリューム・マックス事件」 俺は奪い取ろうとした。 「大したことじゃない」って言おうとした。 だけど、もう遅かった。 カセットは回り始めた。 カチッ。 そして―― 昔の俺の声が、 部屋いっぱいに響き渡った。 「お前ら、準備はできてるかーーー!?」 ギター――ジャーン! 全員: 「うおおおおお!!」 ケンタ: 「やめろーーー!!」 【Pre-Chorus 2 – Emotion】 昔の自分が恥ずかしかった。 みんなに笑われるのが怖かった。 でも―― 誰も動かなかった。 誰も俺から離れなかった。 グリコ先生はただ近づいて、 まっすぐ俺の目を見た。 グリコ: 「自分の過去が、 未来まで決めると思ってるの?」 【Final Chorus】 VOLUME MAX! もう隠れない! VOLUME MAX! 俺の過去を全部知られてもいい! そうさ、俺は間違えた。 限界を越えたこともある。 だけど今は、 過去を消すんじゃなくて、 それを抱えたまま前へ進みたい! VOLUME MAX! もし過去がまた追いかけてきても…… 今度は俺自身が、 真正面から向き合ってやる! 俺はもう、 昔の俺じゃない! 俺は―― ケンタだ! そして今…… 音量を上げる! 【BRIDGE – 盛り上がり】 グリコ: 「ケンタ……音量は控えめにね。」 ケンタ: 「はい、先生。」 ユイ: 「絶対ウソ!」 ケンタ: 「……ちょっとだけ。」 モモ: 「いけー! ケンタ!」 ケンタ: 「今度は……みんな一緒だ!」 ドラム! ギター! アンプのスイッチが入る! ケンタ: 「ワン……ツー……スリー……フォー!」 【FINAL – ROCK】 誰にだって、 隠したい過去がある。 忘れたい失敗がある。 諦めかけた夢もある。 だけど、誰かがそこにいてくれるなら―― すべてが崩れ落ちても、 もう一度やり直せる! G! G! G! この音は、絶対に消えない! 【OUTRO – Dialogue】 音楽が突然止まる。 グリコ: 「……ケンタ。」 ケンタ: 「はい?」 グリコ: 「音量は最大にしないって、 約束したわよね?」 ケンタ: 「……気が変わりました。」 グリコ: 「ケンタァァァ!!」 ドン!! 全員: 「アハハハハ!」 最後のギターコードが響く。 グリコ: 「……もう、こうなったら……」 ケンタ: 「先生?」 グリコ: 「あなたたちの実力、見せてもらおうじゃない。」 沈黙。 ケンタが笑う。 ケンタ: 「じゃあ……」 「本当の始まりだ。」 🎸 最後のコード。


