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棺の中に咲いた花

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V6

鐘が鳴る 誰もいない街で 濡れた足音がひとつ 僕の後ろをついてくる 振り返るたび そこには誰もいない なのに聞こえる 懐かしい君の声 「ねぇ、まだ帰らないの?」 --- 【Verse 1】 錆びついた街灯の下 黒い猫が僕を見ていた 濡れた路地に浮かぶ月 まるで誰かの瞳みたい 閉ざされた古い教会 扉には赤い花 枯れているはずなのに 昨日より綺麗に咲いている 階段を上れば 誰かが歌ってる 聞き覚えのある あの子守唄 君が最後の夜に 僕へ歌ってくれた あの優しい旋律 どうして今も 聞こえてくるの? --- 【Pre-Chorus】 鏡に映った僕の隣 君が立っている気がした 触れようと手を伸ばせば 指先だけが すり抜けて 「もう一度だけ会いたい」 そう願った瞬間 鏡の中の君が 悲しそうに笑った --- 【Chorus】 さよならを言えないまま 君は夜に溶けていった 黒い月が笑うたび 僕の心は凍えてゆく 棺の中に咲いた花 今も君を待っている 夢ならどうか醒めないで ひとりになるのが怖いから 朝が来なければいい 光なんていらない 君が消えたあの日から 僕には夜しか残ってない --- 【Verse 2】 午前三時の古時計 止まった針はあの日のまま 君の写真を抱きしめて 何度も名前を呼んでみる 「返事をしてよ」 静かな部屋に 小さな音がした コン、コン、コン 窓の外から 誰かが叩いている カーテンを開けると 白い影が立っていた 長い髪 青白い顔 そして見覚えのある 君の服 「迎えに来たよ」 そう聞こえた気がして 僕はドアを開けた でもそこには 冷たい雨しかなかった --- 【Verse 3】 古いアルバムを開けば 君の笑顔が並んでる 夏の日も 冬の日も くだらないことで笑った日も ページをめくるたび 時間だけが戻っていく 最後のページには 僕の知らない写真 誰もいない海辺で 君がひとり立っている その隣には 黒い影 よく見ると その影は僕だった いつ撮ったんだろう そんな記憶 僕にはないのに 写真の君だけが 泣いている --- 【Pre-Chorus 2】 夢の中で君は言った 「どうして忘れたの?」 僕は何も答えられない 「どうして置いていったの?」 違う 僕は君を置いてなんか―― そこで目が覚めた 枕が濡れていた 涙なのか 雨なのか もう分からなかった --- 【Chorus 2】 さよならを言えないまま 君は夜に消えていった 白い月が照らすたび あの日の傷が疼きだす 棺の中で眠る花 誰にも触れられないまま 「愛してる」と叫んでも 届かない声が闇に沈む 君を忘れたくない でも思い出すほど痛い それでも僕は今日もまた 君の名前を呼んでいる --- 【Bridge】 もしも時間を戻せるなら あの日の僕に伝えたい 「行かないで」 たったそれだけでよかった なのに僕は笑っていた 「また明日ね」 そう言って 君をひとりにした その「明日」が 永遠に来なかったなんて あの頃の僕は 知らなかった --- 【Breakdown】 午前零時 鐘が鳴る 午前一時 窓を叩く音 午前二時 廊下を歩く足音 午前三時 僕の名前を呼ぶ声 午前四時 鏡の中に君がいる 午前五時 空が少し白くなる そして君は 消えてしまう 「待って……」 「お願いだから……」 「今度こそ……」 ひとりにしないで --- 【Final Chorus】 さよならを言えないまま 君は朝に溶けていった 最後に見せたその笑顔が 今も僕を縛りつける 棺の中に咲いた花 涙みたいに揺れている 夢ならどうか醒めないで 君の声を聞いていたい たとえ幽霊でもいい たとえ幻でもいい もう一度だけ抱きしめて 「愛してる」と伝えたい 黒い月よ 消えないで 夜よ 僕を置いていかないで 君のいない朝が来るなら 僕もここで眠りたい --- 【Outro】 朝日が昇る 君の姿はない いつもの部屋 いつもの時計 いつもの静けさ ただひとつだけ 鏡に文字が書かれていた 赤い文字で 「また今夜、会おうね」 僕は泣きながら笑った そして夜を待つ 君に会える たった一度の時間を 午前零時 古時計が鳴る コン、コン、コン…… 今度は 僕の部屋の ドアの向こうから。