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概瞰陸離(JAZZ version)

V5.5

街は今日も 何事もなかったような顔で 息をしている 誰も彼も 何かに追われてるようで 何も追っていない 交差点の向こう 光だけが忙しく点滅して 人の波は 意味もなく流れていく 意味なんてないように 見えるだけかもしれない 無気力なふりで漂うやつも 保身だけ覚えて黙るやつも きっと生きるためにそうしてる それくらい 分かってるつもりでいる 「Hello,how low?」 何処かで聴いたフレーズが ふいに頭をよぎる それでもまだ 世界を諦めきれない 冷めた顔のまま 立ち尽くしていても 消えそうで 消えないものがある 胸の奥で まだ揺らいでいる ビルの隙間の空は狭くて 夜になっても自由じゃない 誰かのためじゃなく 自分のためだけに みんな必死で でもその姿さえ どこか他人事みたいで 街を見ている その視線の先で たぶん自分も 同じような顔をしている 斜に構えて 分かったようなふりをして 何ひとつ変えられず立っている 諦めたほうが楽だろう 期待なんて持たなきゃいい どうせ世界は 綺麗ごとだけじゃ回らないし 優しさは喰い物にされて 正しさも切り売りされる それでもまだ 世界を諦めきれない 壊れた信号みたいに 胸の奥で灯っている 笑えなくても 上手く怒れなくても 捨てきれない 何かがまだ残ってる 救われたいわけじゃない 信じたいわけでもない ただ 終わったことにしたくないだけだ 無気力に見えるその影も 必死に守ってるその腕も 似たような夜を越えてきたなら 少しだけ この街の見え方も変わるだろうか それでもまだ 世界を諦めきれない 冷めた目のまま 座り込んでいても 答えなんて 見つからなくていい あるかどうかさえも 分からないから それでもまだ 消えていないのなら この夜ごと 抱えたままでいい 街は今日も 何事もなかったみたいに 息をしている その中で 自分もまた 何かを失くしたような顔で 明日を見ている