
独立せし不変の実体 其れ無きと見抜く智慧 五蘊皆空 照見して 苦厄を越ゆる道を知る 空即是色の理 形在る物 空と別つ我 然れど色空 元より別れず 心冴ゆ感覚 縁起の理を知る 色即是空の教え此処に在り 全ては空なり 滅却せず 穢れなきも清廉無比でも非ず 心身の諸相 十八界 絶対的な感覚 真意なのか? 無明 乃至は十二縁起も空なり 実体 死というものもまた空なり 四諦を知れど辛苦は残り 其れを未悟と決めつける 開悟得る執着 其れも亦 涅槃に至らず 万物の空を見誤る我が誤謬 顛倒夢想 之より別離し 境地に至る 故に認知すべきか 漆黒を照らす真言 般若心経の説法なり 羯諦 羯諦 虚妄の此岸 波羅に至るは彼岸 その対岸に在るは此岸 混沌混迷の世界 彼岸へ往け 唱う我が胸 なお虚ろ 此岸 現世では 開悟得る 之に執着 虚妄の此岸とす 羯諦を唱えど 然し我が欲望 乃至は貪欲に渇望 現世では此れが跋扈 慾望 羨望 絶望 怨望 智慧に至るには我欲 之多く 混沌と渦巻く此岸 涅槃には程遠い 己が生をも厭うほど 艱難辛苦 沈む者あり 其の痛みを誰が咎めよう 智慧の声は響くも 此岸の闇は尚深く 彼岸の意味さえ見失う 般若心経の声は在れど 何故この胸に届かぬ 之も亦 空なのか 色即是空 空即是色 苦すら無きと読み違え 尚も此の身は苦に沈む 虚妄の此岸 彼岸へ往けと唱えども 此岸からの手紙 未だ彼岸へ届かず 罣礙無き境地を求め 求むる心に執着す 救いを願う此の心も また縁起の中に在り 然し人は意味を求め 答えを求め 救いだけを求める 之が人の至難なり 其れを限界と呼ぶべきか

