
ぶっしゃかさま
雲の上から見下ろしたら 善だ悪だで地図が塗りつぶされてた 線引いたのは誰の指だ そのペンはきっと自分のためだけで 奪い合いで余ったパンを 「施し」と名付けて配ってる 上から目線の「救済劇」 エンドロールには僕らの名前なし この世は苦だと言った人の 教科書片手に争う人 「悟り」の文字で殴りあって 字の形だけ立派な墓標 サンキュー仏様 ねえ僕らどこで迷子になったんだろ ナムナム手を合わせ 自分の欲に合掌してる ぶっしゃかさま もっと笑ってくれ こんな茶番 劇場版人類 救われたいって叫ぶその口で 隣の不幸をつまみにしてる ぶっしゃかさま どうせ僕らみんな カルマ背負った歩く矛盾だろ 転んだまんまでもいいって 言ってくれる嘘を待ってる 「正しさ」っていうジャングルジム 一段ごとに誰か蹴り落として 頂上からの眺めだけを 「真理」と呼んで鍵をかけてる 悟りへの最短ルート 検索窓で調べる夜中二時 おすすめ欄に並ぶのは 誰かの絶望 再生回数 痛みを知るため殴るんじゃなく 殴った言い訳に痛みを語る それを「経験」って名札つけて 自分だけは賢くなったつもり ねえ仏様 「空っぽ」がきっと正解なんでしょ でもこの胸の からっぽはやけに重いままで ぶっしゃかさま どうか聞こえてる? ノイズ混じりの祈りのフルコース 善も悪も飲み込んだあとに 残ったゲップが本音なんだろ ぶっしゃかさま もしもあなたにも 迷った夜があったのならさ そのとき泣いた涙の数だけ 僕らのバカをまだ許せるかな 七日で世界 作れないけど 七十億回 謝ってみるよ それでもきっと変われないなら 変われないまま ちゃんと生きてくよ 合掌のかたちしたこの手で 誰かをまた突き放したとしても いつか本当に空を掴むまで ほどかないまま祈っていたい

