
朝の光が低くて 影だけ先へ伸びていく タイヤが路面を噛むたび 眠ってた心が目を覚ます 住宅街を抜けるころ 風の匂いが変わった気がする 深呼吸をひとつ置いて 今日も坂を登る理由を探す 勾配が少しきつくなるたび 迷いが足元に絡みつく ギアをひとつ落としたら 昨日の私が追いつく気がした 誰も見てない坂道で 今日の私にだけ負けたくなくて 風が背中を押した気がして 景色がゆっくり遠ざかっていく まだ行けるよって 心が言う 立ち止まるほどじゃないけど 少しだけ息を整えたくなる 木漏れ日の揺れを見ていたら 昨日の私が遠くで手を振った 誰も見てない坂道で 揺れた心を抱えたまま進んで 今日の私を追い越したくて 風のない空気さえ味方に思えて もう少し行けるって 確かに聞こえた

