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選ばれた理由【装甲戦士ガルド22】

V5.5

[Intro] 静寂な街の果てで 世界が崩れ始める [Verse] 当たり前の朝 当たり前の夜 そのすべてを 守りたかった 強さなんていらない 今でもそう思う ただ失いたくない それだけだった [Verse] 君の涙も 笑った日々も 全部この胸に 残っている 君の隣で笑う自分 それだけで十分だった [Pre-Chorus] でもあの日君の声が響いた 「助けて」 そのひと言が 始まりだった [Chorus] 君を守るそれだけで 俺はここまで来れたんだ 不完全でもよかった 迷いながら それでも進んできた 選ばれた理由なんて 知らなかった でも今なら分かる ただ君を守りたかった [Verse] 怖さも弱さも 迷いも痛みも 全部捨てずに ここまで来た ひとりでは 届かなかった 君を守りたい想いが 力になった [Pre-Chorus] 偶然じゃなかった この出会いも この力も この痛みも [Chorus] 君を守るそのために この体が壊れても 帰る場所があるから 俺はまだ ここに立ち続ける 選ばれた理由なんて 特別じゃない 誰かを守りたいと 願えたそれだけ [Bridge] 本当はただ 君の隣で 笑っていたかった でも今なら 胸を張って言える この力は 守るためにあった [Drop] 全部 つながっていた! [Final Chorus] 君を守るそれだけで 俺は今ここにいる 愛も夢も涙も 全部抱いて この力へ変えていく 明日を守るそのために 世界が敵になっても この命燃え尽きても 絶対に 帰ってみせる 選ばれた理由を 今この手でつかんだ この力は 誰かを守るためにあった [Post-Chorus] I will protect I will return I’m not alone Never again [Outro] 夜空に光が走る 君の待つ場所へ (fading) 選ばれた理由は―― 【End】 【Episode Story】 【第22話・選ばれた理由】 炎。崩れた街。砕けた道路。夜空を焦がす黒煙。その中心で――二つの存在が激突していた! 轟音。衝撃波。青い閃光が夜を裂く。ガルドの拳。王の腕。ぶつかるたびに空間が震える。地面が砕ける。だが――今度は違う!王の表情に、初めて余裕がなかった。 「……なんで……!」 衝撃。王が後退する。 「なんで押し返せる!?」 ガルドが踏み込む。斬撃のような青いエネルギー。王の体が揺れる。 「ありえない……!」 王が叫ぶ。 「そんな感情の力で……!」 雷撃。だが!ガルドが突き破る。青いエネルギーが雷を裂く。 王の目が見開かれる。 「こんなの……!」 一歩、下がる。 「こんなの、楽しくない……!」 笑顔が崩れる。初めて。『恐怖』に近い感情。王は歯を食いしばる。 「なんでだ……!人間の感情は不完全だ!不安定で!非合理で!だから弱いはずなんだ!」 ガルドが王を殴り飛ばす。轟音。 王が瓦礫を滑る。主人公の呼吸は荒い。だが、その目は揺れない。 (届く……!) しかし――次の瞬間。王も立ち上がる。 「……でも、まだ終わらない」 空間が歪む。 「ぼくも……まだ壊れてない……!」 雷撃。閃光。再び激突。衝撃波が街を揺らす。だが、決定打が届かない。互いに、倒れない。主人公が息を切らす。 (……このままじゃ……) そのとき、胸の奥から、声が聞こえた。 『……聞こえますか』 オルディアの王の弟の声だった。静かな声。主人公の動きが止まる。 『今のガルドシステムは、かつてない状態になっています。あなたの感情と、僕のオルディアとしての力。そのすべてを取り込み、新しい形へ変化しています』 「……新しい形……?」 『はい』 弟が返す。 『ガルドシステムは本来、感情を拒絶するものではありません。感情を受け入れ、力へ変えるためのシステムだったんです』 一拍。 『ですが兄は、不合理だと感じる感情を制御し、強い感情だけを軸にシステムを成立させようとした』 弟は続ける。 『でも、あなたは違った。あなたは恐怖も、迷いも、誰かを守りたいという想いも――全部受け入れた』 リアクターが強く発光する。 『それがガルドシステムの本当の力を引き出すことだったんです!』 主人公の目が見開く。 『今のあなたは、兄よりも深くガルドシステムと繋がっています。だから今なら――兄のガルドシステムそのものに干渉できる!』 王が距離を取る。警戒している。弟は続ける。 『今のあなたなら、兄のガルドシステムの制御権を書き換えられるかもしれません!』 主人公の目が揺れる。 「あいつのシステムを書き換えれば……!」 『はい。兄はガルドシステムによって存在を維持しています。つまり、システムを停止させれば――兄は実体を維持できなくなる』 一拍。 『成功すれば、兄は実体を維持できなくなり消滅します』 だが、弟の声がわずかに沈む。 『……ただし、この力を使えば、あなたの体も無事では済まないかもしれません』 主人公の呼吸が止まる。 『今のあなたは、ただガルドシステムを使っている状態ではありません。あなた自身の存在が、システムと深く結びついている状態です。』 主人公の目が揺れる。弟は続ける。 『本来、人間がガルドシステムを使う場合、『外部装甲』として機能するよう、僕が調整していました』 『ですが今のあなたは違う。あなたの感情と、僕の力を取り込み、システムそのものと融合・再構成されています』 「……つまり?」 『兄のガルドシステムへ強制干渉するということは――』 一拍。 『同じシステムで成立している、あなた自身にも干渉が及ぶということです』 静寂。 『あなたの存在構造そのものが崩壊する可能性があります』 「……っ」 『人間としての肉体を維持できなくなるかもしれない。最悪の場合、あなたも兄と同じように消滅する可能性もあります』 静寂。炎が揺れる。王が笑う。 「どうしたの?来ないの?」 だが、その笑顔は引きつっている。主人公は静かに目を閉じる。浮かぶ。幼馴染の涙。 「絶対帰ってきて」 幼馴染の父。記者。街の人たち。守りたいもの。全部。そして―― 「……それでも」 静かに。 「それしかないならやるしかない!」 一拍。 「帰るんだ」 リアクターが輝く。 「待ってくれてる人がいる」 拳を握る。 「だから、こんなところで絶対に終わらない!」 胸のリアクターがこれまでにないくらい輝く!そのとき、弟が静かに言った。 『……今、はっきり分かりました』 「……?」 『あなたが、ガルドシステムに選ばれた理由です。あなたがガルドシステムを起動できたのは偶然じゃなかった』 『兄はずっと、人間の感情を『不完全なもの』だと言っていました。』 『でも、違った』 『誰かを守りたいと思う心』 『帰りたいと願う心』 『失いたくないと思う気持ち』 リアクターが輝く。 『それこそが――』 『ガルドシステムを、本当の意味で完成させる力だったんですね』 主人公の目が開く。弟は静かに続ける。 『だから、あなたは選ばれた』 『力があったからじゃない』 『特別だったからでもない』 『あなたが、『誰かを守りたい』と本当に強く願えた人だったからなんですね』 『なら奇跡を起こせるかもしれない。僕もまだ知らないガルドシステムの力を、引き出せるかもしれません!』 主人公は前を見る。王。炎。壊れた街。だが、その目はもう迷わない。 「……そうか」 胸のリアクターが輝く。主人公はゆっくり構える。 「俺がここにいる理由」 王の表情が歪む。今までにない悪寒。これはだめだと本能が告げる。 「やめろ……!」 一歩、下がる。 「来るな……!」 主人公は続ける。 「この力は、誰かを傷つけるためじゃない!これは―――」 リアクターが暴走寸前の輝きを放つ。 ガルドの全身からエネルギーが溢れる。 奔流!大気が震える!地面が浮く!青い粒子が噴き上がる。主人公が叫ぶ。 「守るための力だァァァァッ!!」 次の瞬間――ガルドが疾走する。 一直線に!王が雷撃を放つ。だが止まらない! 王が叫ぶ。 「やめろォォォォォッ!!」 ガルドの拳が――王の胸部を貫いた!王の目が揺れる。 「……あ……」 王の全身に光が奔る!王の体が崩壊していく! 「なんで……、ぼくが……」 光が漏れる。 「認めない……!」 崩れていく。 「こんなの……!」 次の瞬間――閃光!衝撃!街全体を飲み込む巨大な光。王の体が、粒子となって砕けていく。 同時に、ガルドの装甲にも亀裂が走る。 主人公の目が見開く。 (……っ!?) ガルドの体が光に包まれる!光の粒子が夜空へ舞い上がった―――。