
心の息吹には音がある 私は確かにそれを聞く 押し黙る果てのない観測は いつしかその耳を目に変えた 感情には見えない指がある 触れられた経験はありますか 心の息吹には音がある 君のそれが私を揺さぶる あまりに無垢で真っ直ぐな 声は光る刃で時を刺す 止めていた心の呼吸さえ 目の前でして見せてくる君に 張り巡らせた何層もの ガラスは雨へと溶け落ちた 無防備すぎる笑顔の前で 逃げ込む影も白く溶け 動くはずのなかった瞳の奥が 激しく脈撃ち慟哭するのを 息吹いているのが心なのだと 理解したのはあまりにも ただただありふれた瞬間で この耳が見える耳でなかったなら それが普通でないことにすら 永遠に気づくことはなかった

