
遠くでかすれた 誰かの声 聞こえないふりをして歩いた帰り道 ふたりの影はもう 重ならないけれど 今でもどこかで 続いている気がしてる 薄明かりに揺れた 古いランプ 冷めた紅茶を ひとりで口に運ぶ 笑い合ったあの日の響きが 心の深いところでまだ鳴ってる 上手く言えない言葉ほど どうして大切だったんだろう 飲み込んだ「好き」が行き場を失って 今も胸のどこかで呼吸してる あなたの名前を呼んだとき 返事がなくても まだそこにいる気がして 終われないまま 時だけが進んで 形のない想いだけ残った もしもう一度 隣に座れたなら 何も言わず ただ、笑うだけでいい 窓際に置いた 色褪せたノート あのとき書いた言葉がまだ息をしてる 何も飾らなかった会話たちが 今になって宝物だったと気づく 黙ったまま見ていた景色は 言葉よりも確かだった あの沈黙が教えてくれた 「あなたがいるだけでよかった」 思い出は少しずつ 綺麗な形へと変わっていくけれど 手放したくない記憶がある それが私を繋ぎ止めてる 届かなくても 忘れはしないよ この想いがまだ私を生かしてる 消えない 消したくもない たしかに愛した時間がある 言葉に出来ないままの気持ちで 今も私は あなたを想ってる あの日言えなかった「さよなら」が 胸の中で何度も揺れて 泣くたび 心に浮かぶ姿は どうしてこんなに優しいの あなたへ向かって 歩き出したいのに 心だけが まだあの日に座り込んだまま でもいつか そっと触れられる日まで この歌を夜に流す “ありがとう”も “好きだった”も 全部ここで やっと言える 灯りのない部屋で ひとり 静かな呼吸だけが響いてる あなたがいた続きを 私は今も生きている


