
深夜三時 卓上スタンドの孤島 削り立ての 鋭い三角 芯が卓面を噛む 誰にも見せない 百二十ページの余白 定規で引けない動脈を 爪先で探り当てる 躊躇は摩擦熱 紙面に落ちる影の重さ 一度折れた黒鉛は 二度と元の鋭さには戻らない 黒鉛の粉を撒き散らして 迷い線の束が輪郭を抉る! Charcoal sparks, 鼓膜を引っ掻く芯の悲鳴 消しカスで濁った余白の向こう 未完のままで Break the border! 歪んだ筆圧だけが 今 アタシを証明する! 冷めたカッターマット 無数に交差した古い傷痕 正解のデッサンなんて 誰が決めた? 左手に付いた黒い擦れ痕は 消去不能のタトゥーみたく 掌で脈を打つ 塗りつぶした幾何学の隙間 覗き込む原色の飛沫 綺麗な整合性なんて パレットナイフで削ぎ落とせ! 原色の顔料が暴走して 破れた紙片が夜空を埋める! Splatter paint, フレームを食み出す生の筆致 ペンティメントを恥じるな 刻むすべてが New layer! まだ名前もない色彩が 今 静寂を焼き払う! 白紙は 何も拒まない 弱さも 震える指先の迷走も 描いてしまえば それはもう孤独ではない 描けっ 描けぇっ!! ……黒、黒鉛の荒野を駆け抜けて Charcoal sparks, 混濁の果てにスパークする原色 完成を拒絶した 未完のままの Final masterpiece! 剥き出しの魂を この紙面に 打ち付けろ! スタンドライトを消す 散乱する消しカスの海 白紙はもう 何処にもない

