曇り空を仰ぎ 胸の奥で微睡む 名もなき歌を口ずさみ 誰に届くでもなく 石畳の路地に 柔らかな足音 小さな夢だけを 掌に包んでいた 笑う声に守られ 寄り添う温もりが 彼を支えていた たしかにそこにあった 夜の路地 悲鳴が消えた 小さな手は掴めずに 影に飲まれていった 血に濡れた手を見つめ 胸の奥で何かが弾けた 狂気が、静かに蠢き出す 嗚呼 裂ける鼓動 涙は炎に変わり 嗚呼 嗤う心 皮膚の内側で叫んでいる 愛するものを抱きしめ 憎むべきものを砕き 狂気は刃の光となり 混沌の中で美しく舞う その衝動に全身を任せ 彼の覚醒は完成する 夜に影を舞わせ 牙は月光に煌めき 世界を震わせる律動に身を委ね 嗤え、仮面の舞踏 「ふふ…ねぇ、最後まで魅せてあげる、その瞳だけ残してあげるから――」 狂気は美に変わり 美は狂気に融けて 裂けた唇が微笑む それは誓い それは呪い それは―― 変態キャ面