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UFOキャッチャーに心臓を取られる

作詞:トヨルック様(@toyolook) UFOキャッチャーに 心臓を取られる 百円玉が 胸で転がる 光るケースの 奥の奥から 赤いぬいぐるみが こっちを見てた 取れる気がした 最初だけは 爪の角度も 信じていた だけどアームは 少し迷って 私の鼓動を つまんで落とす UFOキャッチャーに 心臓を取られる 届きそうなのに 届かないまま 持ち上がったと 思った瞬間 恋みたいにまた 滑り落ちた UFOキャッチャーに 心臓を取られる ガラスの向こうで 笑われている 欲しいものほど 軽そうに見えて 実はぜんぜん 動かせない 隣の人なら 一回で取って 歓声だけを 袋に入れた 私は小銭を 追加しながら 負けた理由を 探していた 景品じゃなくて 執着だった わかっているのに やめられない あと少しだけ ずらせば取れる その言葉だけが 罠になった UFOキャッチャーに 心臓を取られる 掴まれたのは 私のほうだ 赤いランプが 点滅するたび 胸の奥まで 景品になる UFOキャッチャーに 心臓を取られる 戻るボタンは どこにもない 落とし口まで 行けない気持ち 透明な箱で 揺れていた 店員さんなら 位置を直せる 人生にも それがあればな 少し前へと 寄せてもらえば 好きな人にも 届いたのかな 握りしめてた 最後の硬貨 入れた瞬間 音が消えた 祈るみたいに ボタンを押して アームの影を 見上げていた UFOキャッチャーに 心臓を取られる 今度こそだと 息を止めた 持ち上がったのは 欲しかったもの 落ちたのはたぶん 私のほう UFOキャッチャーに 心臓を取られる 取れた景品を 抱いたけれど 嬉しいはずの 重さの中で 空っぽの胸が 少し鳴った 帰り道では 袋が揺れて 中の赤色が 夜に当たる 手に入れたのに 負けたみたいで 私はずっと 黙って歩く 部屋に戻って 棚に置いたら 景品だけが こちらを見る 心臓なんて 取られたままで それでも朝は 動き出す