
もしも雲が昨日を覚えていたら 雨は忘れものを 返しにくるのかな もしも 夜のすきまにポケットがあるなら 眠れない時間を しまっておけるかな どこかに挟んだままだった もしもの栞 つづきは夜の裏口から あの丸い月が砂糖菓子だったらな ひとさじ溶かして 星空ブレンド くるりと混ざった マーブル模様は スプーンの先からこぼれた銀河 あの流れ星が夜の額縁を飛び出して カップのふちに 腰掛けたなら 願いごとなんて あとまわしにして 醒めないうちに 夜を飲み干そう もしも 雲が空を消した跡なら 誰が青色を 書き足したのかな もしも 月明かりから糸を借りたなら 白く吐いた息に よるいろのマフラーを ページのくらがり眠ってる もしもの栞 続きは白紙のままでいい せっかちな針はもう何周したかな 焦って進んで また同じ場所 くるりと回って 私みたいに 周回軌道上 何度目の夜? この部屋の中は 未明溜息のラグランジュ カップのふちに 残る口紅 眠りたくないな 起きたくもない まばたきの中に 夜を閉じ込めた 湯気にふれて 月が溶けて 流れ星がスワイプした 空には次のページ もしもの栞の向こう あの丸い月が砂糖菓子だったらな ひとさじ溶かして 星空ブレンド くるりと混ざった マーブル模様は スプーンの先からこぼれた銀河 始発の合図で月は溶けて崩れて 魔法のラテに 逃げ込んたなら 月とシーリングが 同じように揺れる また夜に会おうね 丸いカップの底 砂糖菓子の月を 夜に一匙

