
午前零時の 小さなダイナー 窓に浮かんだ 赤い月 昨日ここで 笑った君を 今日は誰も 知らないという クリーム多めの コーヒーふたつ ひとつはずっと 冷めないまま 壁の時計は 十二時三分 さっきからずっと 同じ時間 ねえ これは夢なのかな それとも夢から 起きてないのかな カーテンの向こうで 誰かが笑った でも怖くないの 君の声に 似ていたから チェリームーン・ダイナー 今夜も待ってる 赤い月を スプーンで混ぜながら チェリームーン・ダイナー 君を待ってる 知らない名前で 呼ばれてもいいよ ドアベルが鳴ったら きっと振り向くから 夢の続きを ここで食べよう 森を抜ければ ネオンがひとつ 青く瞬いて 消えていく 窓の向こうを 白い車が 音も立てずに 通り過ぎた テーブルの上 チェリーパイには フォークの跡が ふたつ残る 誰もいない はずの向かいで 椅子が静かに 揺れていた ねえ 君はどこにいるの 昨日と今日の 隙間にいるの 名前も顔も 違っていたって たぶん分かるよ 笑うと少し 目を伏せるから チェリームーン・ダイナー 今夜も待ってる 赤い月を グラスに浮かべながら チェリームーン・ダイナー 君を待ってる 世界が全部 間違っていても ドアベルが鳴ったら きっと振り向くから 夢の続きを 一緒に見よう 朝になったら この店もきっと 普通の場所に 戻るのかな 赤い月も 森のざわめきも 全部消えて しまうのかな だったら今は 帰らなくていい ミルクをもう少し 足して 君が来るまで あと一杯だけ チェリームーン・ダイナー 今夜も待ってる 赤い月が 砂糖みたいに溶けてく チェリームーン・ダイナー 君が来たなら 昨日の名前なんて 忘れてしまおう ドアベルが鳴ったら 今度こそ分かるから 夢と現実の 真ん中で チェリームーン・ダイナー 朝までふたりで 夢の続きを 食べようよ ©️ytsgax

