蜀の都で生まれたプリンス 名前は劉禅 字は公嗣 パパは英雄 劉備だけど 宿題は全部孔明にパス 刀を持てば手が震え 策を聞けば目が回る 「阿斗だ阿斗だ」って笑われて 宴の席で微笑んでる 才能?たぶん 置いてきた 覇気?それって どこで買う 軍略?政治?むずかしい とりあえず今日も宴会だ ああ 阿斗 阿斗それでいいの? 玉座でニコニコマイペース 国が傾いても気づかない 「楽しければOKです!」 阿斗 阿斗みんなは言うけど 案外メンタル最強説 長生き逃げ勝ちエンドロール これも才能 三国志 孔明北伐がんばって 地図に書き込み増えていく 孔明の羽扇 風を切り 印鑑ポンでボクは終了 北伐 北伐 また北伐 決断は全部人任せ 説明されてもよくわからず 「すごいですね」で乗り切った 五丈原で星が落ち 天才軍師が空へ逝く 残されたのは書類の山 「えっと誰に聞けばいい?」 ああ 阿斗 阿斗 泣いていいよ なにもしないを極めてる 魏が来たならもう無理せず 「降伏します!」潔さ 阿斗 阿斗 平和主義 民の命を守った 国は滅んだ でも本人は 最後までハッピーエンド なんども呼ばれたその名の意味 阿斗という小さな響き 道端に咲く名も無き花 踏まれぬようにただ在るだけ 父上にも孔明にも 臣下たちにもそれでよかった 親しまれ 慕われ 信頼し 微笑んで そこにいた 蜀が恋しいかと問われ 胸の奥で血が泣いた それでも首を横に振り 「別に」と嘘を選んだ夜 それでも生きるボクは生きる 人は生まれたら生きねばならぬ 国を失い名を汚しても 命を絶やすわけにいかぬ 剣を取らずに背を向けて 涙を飲んで笑ったまま 蜀は脳裏に抱いたまま 絶対に生き抜いてみせる ああ 阿斗 阿斗 それでいい 無能と呼ばれて構わない 誰かが戦い誰かが死に 誰かが生き残る 阿斗 阿斗 名も無くていい 道端の花で構わない 乱世を最後まで生き抜いた それがボクの三国志 咲いて 踏まれず ただ生きた