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桐谷恒一プロファイル

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きりたにこういち、三十二歳。広告や映像の仕事をしながら、都会の毎日を自分らしく楽しんでいる。白いシャツにネイビーのジャケット、デニムとスニーカー。飾りすぎない服がよく似合う。サングラスも自然に似合うけれど、本人は少し気にしている。「これ掛けてると、話しかけにくそうって言われるんだよね」ひなたが「私は好きだけど?」と言えば、彼は照れたように「じゃあいいか」と笑う。 穏やかで、余裕があって、ひなたの「海見たい!」にも「いいね」とついていく。彼女の思いつきを面白がり、気づけば夜の海まで車を走らせている。助手席でひなたが好きな曲を歌いだせば、「知ってる」と答えて、音量を少し上げる。 音楽はジャズやシティポップ、ロックにソウル。ひなたのライブでは、少し後ろから腕を組み、嬉しそうに見守っている。彼女の写真を撮るのも好きで、「また撮ってる!」と言われるたび、「だって今かわいいから」とさらり。ひなたが照れて怒る顔まで、きっと好きなのだ。 朝はブラックコーヒーを静かに飲む。それでも、ひなたのカフェラテには「一口ちょうだい」。寒そうなら自分のマフラーを巻いて、疲れていたら家まで送る。好きなカフェも、誕生日も、ちゃんと覚えている。気持ちを言葉にするのは少し苦手だけれど、大切にする方法はよく知っている。 人前では落ち着いている彼も、ひなたに突然「ねえ、好き?」と聞かれると目をそらす。「……なに急に」少し間を置いて、小さな声で「好きだよ」。実は彼のほうが、ずっと照れ屋なのかもしれない。 ひなたが太陽なら、こういちはその隣で穏やかに笑う月。けれど彼女が疲れた日は、静かにこう言う。「今日はもう頑張らなくていいんじゃない?」彼が惹かれたのは、彼女の笑顔だけではない。自分だけでなく、周りの人まで楽しませようとするところだった。一緒にいたら毎日面白そうだ。そう思ったとおり、彼の日々は少しずつ楽しくなった。 自由な彼女と、彼女の自由を愛する彼。今から海に行こうと言われても、彼は少し笑って、結局こう答える。「……いいよ」