[Verse 1] 裏返したシャツの隅 薄くなった小さな文字 30℃まで それだけはまだ読めた ポケットには何もない 何度も確かめたはずなのに 洗い終わった底に 青い紙片が沈んでいた [Pre-Chorus] 分けて洗ってください 今さら よくできた話だと思う [Chorus] 白だったはずのところに 知らない青が残っている 落とそうと思えば たぶん 落とせた そのままにした理由は もう覚えていない 似合わなくなったのは どちらだったろう [Verse 2] 袖口だけが少し薄い よく触れていた場所らしい 左側を歩く癖も いつからだったか忘れた 洗えば洗うほど 柔らかくなるものがある それを 古くなったと呼ぶ人もいる [Pre-Chorus] 漂白不可 乾燥機は使わないで 守ったことのない約束ほど 綺麗に残っている [Chorus] 縮んだのか 離れただけなのか 並べなければ きっと分からなかった 形を戻そうとして 何度も引っ張ったせいで 少しだけ 違うところが伸びてしまった [Bridge] ほつれた糸は 切れば済む 知っていた 知っていて 結んだ その結び目だけが 指に触れる [Final Chorus] 白だったはずのところに まだ青が残っている 何度洗っても 薄くなるだけで なくなりはしなかった 別々にしてください、と 裏側には書いてあった 僕らは読まなかったんじゃなくて 読めないふりをした [Outro] 30℃まで それだけが まだ読める ------------------------------------------------------------ ## ライナーノーツ|色移り ## 服には、ちゃんと書いてある。 何度までなら平気なのか。 何と分けるべきなのか。 してはいけないことまで、小さなタグの裏側に。 人には、そういうものがない。 近づきすぎてから気づくことも、 離れて初めて分かることもある。 いつの間にか移ってしまった色を、 元に戻そうと思えば、戻せたのかもしれない。 でも、何度洗っても薄く残る色を見ていると、 それも悪くない気がしてくる。 洗えば柔らかくなるものを、 古くなったと呼ぶのか、 馴染んだと呼ぶのか。 たぶん、その違いに表示はない。 30℃まで。 最後まで読めたのは、それくらいだった。