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悍ましき黎明の純情

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V5.5

キミの重力が 私の網膜を 歪ませる 胸中のダムが 決壊し 吐息の大洪水が 内臓を浸す 見透かされるくらいなら 自意識ごと 砕け散りたい 不意の呼びかけに 冷徹な合金を 鋳造する 「べつに」と投げた 一言の 鋭利な切っ先に 指を染める キミという 絶対座標を前に 私の針は 喘ぎ狂いそう この悍ましき純情が きみの五感に 暴かれること 世のあらゆる天災より 末裔まで 呪われている 密室が 生まれそうになるたび 肺腑(はいふ)の痙攣に 耐えかねて 私は 踵を返す 不可避の引力から 逃れるために 視線を避け 衝突回避 きみが他者(ひと)に向ける 無邪気な陽だまりが 私の回路を 熱暴走させる 嫉妬という名の錆が 内側を 浸食してゆく この悍ましき純情が きみの五感に 暴かれること 世のあらゆる天災より 末裔まで 呪われている 密室が 生まれそうになる度 肺腑の痙攣に 耐えかねて 私は 息を押しころす 不可避の奈落で 窒息しそう 潔癖な拒絶の裏 きみの肉肢に 囚われる夢 道徳の光には 赦されぬ 粘膜めいた 熱情のうねり 夜の帳が下り 昼の倫理が 融解する闇 きみの腕の中で ただ 青い黎明を迎えたい 明けゆく空の 冷酷さに 「無関心」の仮面を 圧着する 「おはよう」って 精一杯の記号を 投下して 今日もまた 光から逃走する