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停電の校庭 闇は敵じゃない〜ACTⅠ#06〜

風だけが鳴る 校庭の真ん中 電源の落ちた夜 空だけが点いている 屋台の灯りが消え ざわめきも息を止めた マイクは沈黙のまま ステージは星を映す 「どうしよう」って誰かが言う 返事は風にまぎれる 君はポケットから 小さな光を取り出した 合図はいらない **拍(はく)**をひとつ 深呼吸して 空を見上げる 手のひらのライトを 胸の高さで振ると 遠くで別の光が そっと応えた 停電の校庭 闇は敵じゃない 声が小さくても 灯りは点く ひとつのスマホが もうひとつを呼んで 星座みたいに 輪郭がつながる 心 × エネルギー(エネシン)= ひびく力 電気がなくても 歌は始まる スピーカーの代わりに 息と喉の距離を測る 最初の一音は 震えたけれど美しかった 君がうなずくたび 音程が帰る場所を見つけ 手拍子が増えるたびに 景色が明るくなる 合図はたった「ここにいるよ」 沈黙さえも コーラスになる 見知らぬ背中にも 同じ拍が生まれ 光の海原で 波紋が広がる 停電の校庭 闇は舞台だ 耳をすませれば 温度が見える 歌えない子の分まで 肩でリズムを刻んで 息を合わせれば 声は大きくなる 心 × エネルギー(エネシン)= 灯る回路 暗さのなかで 世界が見える (無音の一拍) 正しさよりも あなたの痛点(いたみ) 触れない距離で そっと守る (無音) 「聞いてるよ」——その一言が 空の底から 低い音を呼び戻す 停電の校庭 夜が歌になる 星とライトの点が 川のように流れる まっすぐじゃなくていい **角度(むき)**を合わせ 「だいじょうぶ」の和音で 包み込むように 心 × エネルギー(エネシン)= 変わる世界 電気が戻っても 忘れないで 最初の一音は 闇の中で見つけた 小さな勇気の 明るさだった 風だけが鳴る 校庭の真ん中 ポケットの光を消して 空の歌を聴く