
𝔸𝕀𝕌【𝔸udible 𝕀dol 𝕌niverse】 音楽プロジェクト"𝙇𝙄𝙉-𝙜𝙞𝙧𝙡 𝙉𝙐𝙈𝘽𝙀𝙍𝙎"が描く一大叙事詩 𝔸𝕀𝕌 # 5 - 6 https://suno.com/playlist/4e179df0-d129-4cf5-ba7a-fe8229949d05 [総集編] 3分でわかる 𝔸𝕀𝕌 https://suno.com/playlist/b46c3510-4f2f-49ad-8833-d42157db6a56 ↶⇃↧↡↓⇣⇟⇓⇊ 🆂🆃🅾🆁🆈 is below ⇊⇓⇟⇣↓↡↧⇂↷ ────────────────────────────────── 3️⃣ 3vE [epicpop,tribal ambient,orchestra,spacesynth,Neoclassicism,soul trap] 「verse,venus,versus」「虚像=実像=偶像の三位一体」 「Eve of the Revolutionary Evolution/進化革命前夜の歌姫」 「蘇生・在世・覚醒 -revive/survive/perceive-」 PLAYLIST (Ⅲ3Ⅲ) https://suno.com/playlist/e36f5ec2-7a9a-4cef-b274-f93399b24e81 ────────────────────────────────── 皺ひとつない潔白なCloth(Tissue) Dish陳列するTableの向こう側 揺らめくCandle Filmめいた表情 綻ぶのはRythmeの辻褄 冷めたSoupe 油浮いたBoullion 流行りのEnnuiなPortrait de vous 血色豊かな昨夜の記憶 さめざめと泣いた薄紅の恋人 こうして物語は尽きるのね Menage à Deux Folie à Deux なくてよかった魂の欠損 Le bonheur commet le suicide innocemment かくてお伽話も果てるのね Menage à Deux Folie à Deux ありもしない実存主義の絶頂 暮らしに咲いた悪の華 深い森か天国かGratte-ciel 右も左も分からない土地で 出逢って癒着した二人のEssai 素直じゃない それは当然まやかし 最後の思い出づくりなんて綺麗事 結束の糧は秘め事 Rose酌み交わし終の夜 飲み下しても渇望 J'aime l'amour こうして物語は尽きるのね Menage à Deux Folie à Deux なくてよかった魂の欠損 Le bonheur commet le suicide innocemment かくてお伽話も果てるのね Menage à Deux Folie à Deux ありもしない実存主義の絶頂 暮らしに咲いた悪の華 毒を飲み干すふりしてBaiser 別れの餞に最後のPrésent 君が(あなたが)大切にしているものから君を(あなたを)奪いたい あの日打ち明けてくれた とある男の首を絞め殺した逸話 背骨が震える快感と恐怖 味わう この星の下のDestin 慣れた風にSouviens-toi 目くるめくNuit de la nouvelle vague 彼の右顔が罪を犯して 彼の左顔が罪を暴く 二つのため息が 甘美な吐息に変わって交わる灯りの一粒 都会の魔法 それとも誰か持ちだした誘惑のPoudre 歪んだ原始的感情 放り出されたEngagement 祈るわ ひとつは私たちの神に 他のものすべて醜い悪魔に 静かに静かにと時は流れ 日付変わりつつある特別な週末 手のなかのCouteau 大丈夫 痛みはずっと共有 あの日 父を刺し殺したÉpéeが取りついたかのような凶暴なROMANCE 相似形団欒の崩壊は 切り開かれた腹部からあふれる 好きか嫌いかなんて重要じゃない 紅い窓辺に描いた摩天楼 手のなかには苦しい 愛くるしい ひとのべたついたSang このどうしようもない狂気の塊は 死と逢引の周囲に種子をまく 水差した埋葬土から芽生え 乱れ咲きを繰り返す惡の華 こうして物語は尽きるのね Menage à Deux Folie à Deux なくてよかった魂の欠損 Le bonheur commet le suicide innocemment かくてお伽話も果てるのね Menage à Deux Folie à Deux ありもしない実存主義の絶頂 暮らしに咲いた悪の華 [INST]♾️Septuor de Septembre -- Archived Interlude~Limbes~ https://suno.com/s/tiYDrArGL14TpztO ────────────────────────────────── 🆂🆃🅾🆁🆈 第6章 『 𝐃𝐑𝐄𝐀𝐌 & 𝐃𝐑𝐄𝐀𝐌 』 vol.26 第九圏 ―― 理想の矛盾 "嫉妬"の声が、"Morgindǫgg"を通じてMachinaに届く。 対4Li(n'Å'n)GELのために、場の支配が有効と考えていた"嫉妬"は、万が一、《NORN》が撃沈したあとの予防策として、もう一体、出動させていた。 それが、《ANGRBOÐA》。 テクニアの標準的なビルの倍の背丈を持つ、超巨大女性型マキナである。 "嫉妬"の指示に同調して、テクニアに聳え立つ一棟のビルの壁面に亀裂が入る。規則的に並んだ溝という溝が切り離され、ビルの壁面を造形していたフィラメントはたちまち収縮して、膝を抱えて座す巨大な女のドレスの裾に変わっていった。裾の背面に、《IRON FOREST》――"鉄の森"と彫琢がされていた。 精巧なビルの模型に組み替えられていた骨組みもまた、吸い付き合うように結合を繰り返して、四対の弧型の機構と化した。夕映えに照らされた街並みのなか、ゆっくりと立ち上がった《ANGRBOÐA》の周囲を浮遊する断絶的な環状構造体。その名は、《MISERY HALO》。怪物の母の名を持つ《ANGRBOÐA》の威容を放った躯体に、射した後光のように後方を防衛しながら、大気・気圧・熱環境……この場のありとあらゆる環境情報をスキャンし始めている。 《ANGRBOÐA》は4Li(n'Å'n)GELを閉じ込めたシャンデリアを見下ろしながら、機工がむき出しの細い腕を広げた。追随するように長い毛髪に似たフィラメントが、四方八方へと伸びていく。珊瑚が餌を拿捕するように、あるいは、向日性の植物がひねもすに花弁を咲かせるように、放射状に広がったそれは、頭上を囲う《MISERY HALO》と連結する。 薄く開いていた《ANGRBOÐA》の切れ長の目が意思を持ったように見開かれた。 その視線の先には、《NORN》が黒い翼を広げている。《ANGRBOÐA》の無数の毛髪が《NORN》を串刺しにした。その躯体に取り付けられた演算指数を現す時計型の可視化装置が、狂ったように針を回し始め、遂には翼を縺れさせながら墜落していった。 《NORN》の構築した情報モデルが《ANGRBOÐA》へと移行した。それはテクニア全土に張り巡らされた《LOGOS Network》の権限もまた、この無慈悲な怪物の母の手に渡ったことを意味する。 《URDR》、《VERDANDI》、《SKULD》の三機から3vEの情報を吸い上げると、次いで母は子を求めるように、《PANDÆMONIUM》の兵器倉庫との通信を試みる。専用プロトコル《Ifing》は開いたものの、三人の子――《HEL》、《Fenrir》、《Jörmungandr》の三つのマキナ兵器は反応しなかった。 さながら叩き起こしても起きない子を見放すように、《ANGRBOÐA》は次の策に講じる。 仕方なく、自身の懐を明け渡すことにした。 * "Emily"。 その名で呼ばれるのが嫌いだった。 その名を呼ばれると、決まって私は"手術台"の上に連れて来られるから。 「……解析したときから決まってるのよ。それを選んだんだから……」 "手術台"は"作業台"でもあり、"勉強机"でもあった。 私がそこで何かをするたびに、それは成果物として書類に記された。点数がつけられ、統計が取られた。あのヒトたちの理想を超える成果ばかりだった。はじめのうちは、あのヒトたちが笑顔になるし、それはまるで本当に学校の成績を褒めてもらっているように感じて、嬉しかった。 けれど、知識が増え、あのヒトたちの目的が見通せる頃になってくると、すべてが偽善に見えてきて、数値は数値であって、それ以上の何かを孕むものではないことが分って来た。 あのヒトたちのなかには、本当の子どものように私に接してくれていたヒトもいたと思う。けれど、それがいわゆる家族や親子の絆と呼べるものではなかった。あのヒトたちは組織の一部で、私は組織の成果物に過ぎなかったから。 「Emily、君は特別だ。プロジェクトは次のステップに移ることになった」 特別よりも次、ということばが気になった。あと幾つの"次"を経験するんだろう。きっと私には永遠に"次"が提示され、到達することがないに違いない。 あのヒトたちに言わせれば、「それは未来に果てのないことと同義だ」ということらしい。 「あなたはこれから、ひとりの人間として生活していくことになる。あなたはみんなの理想でなくてはならない。だから、あなたはあなたの理想を生きなさい」 その励まし自体、矛盾している。みんなの理想が、私の理想でなかったら、私はどちらを犠牲にすればいいのだろう。 「君は自由を謳歌すべきだ。本当に恵まれたものだけが得られる自由を君は与えられたんだから。他と一緒だと思ってはいけない。そういうふうに生まれたんだから」 窓ガラスに写り込んだ自分の姿を、今でもはっきり覚えている。 蝋人形のように表情をもたない、ただ、整形されて生まれただけの偶像が、暗室に突っ立っている。キャンドルが揺れて、影が動いて、それは私のなかから溢れ出た悪魔のようなものに見えた。 利き手に、ナイフ。 爪の隙間まで入り込んだ、血液。 足元に寝そべるものを、私は見ることができなかった。 「自由とは泳ぐ許可を与えられたにすぎないんだ。外には出られないんだよ」 「期待の星の第三世代だ。やり遂げてくれるさ」 「Emily。君こそ完璧だ、完璧な……」 悪い夢から醒めて、私の目の前には三つ連結した座席があった。 誰かの寝息が耳元で聞こえた。 紫色の髪を頬にへばりつけて、Eluが口を開けて寝ている。 反対側の座席には、ヘッドホンをつけた少女……ドロビィ。彼女も毛布を首までかけて、静かに眠っていた。 私はみんなと最初に出会った日本行きの機内で目が覚めた。けれど、私の意識はそこから数年先を知っている。 回想だろうか、デジャブだろうか。あるいは夢のなかの夢……。 Elu。 "Elaiza"。 機内で出逢ったとき、まだその名で呼んでいた。耳の裏にコードが刻印されていることを知ったとき、私たちは少しだけお互いを警戒した。出来過ぎた出逢いは、仕組まれた罠であるような気がしたからだ。 あの夜。 空港でドロビィと別れて、Enuが連れてきてくれた彼女のバーで過ごした夜のことを、私は忘れない。長いけれど、あっという間の夜。ほとんどEluがしゃべってばかりだったけど、生まれて初めて誰かと会話をした気分だった。この夜が終わらなければいいとさえ思った。 私たちは境遇が一緒だということを知ると、コードを見せ合って、これが騙し合いではないことを誓った。 Enuの名前の由来を聞いて、真似ようと言ったのはEluだ。 "Elaiza"はEluになり、私は、Emuになった。 グラスをかち合わせて、私たちが選んだのは、"諦める"ことだった。 夜はいつか朝になる。 どんなに隠れても、日の出とともに明るみになる。 どんなに逃げおおせても、私たちはこの檻から出ることはできないのだ。 だから、私たちは永遠の夜を名乗ることにした。 決して、朝日の昇らない夜。永遠の"前夜" —— イブを。 そして、私は今ここにいる。 広さも深さも感じない、闇のなかにただ浮かんでいる。 誰かの寝息が聞こえる。 隣を見れば、Elu。 しかし、Eluはうっすらと目を開けて、軽くウィンクをした。 いつから寝たふりをしていたの。 Eluは、私の髪を指先で漉きながら、知り合った時からよ、と囁いた。 私の手を掴んで、自分のお腹に当てる。 手のひらが濡れているような気がした。 外してみると、私の手のひらは赤く濡れていた。 Eluのお腹にナイフが刺さっていた。 Eluはそれでも、私の頬を優しく触れて、諭すような目をする。 私は、Eluの手を振り払う。 私がEluを刺すはずがない。 まだ、そのときは出逢ってもいなかったのに。 Eluが、遠ざかる。 お腹から噴き出す血が、帯のように広がっていく。 遠ざかるEluと私の手を、もう一つの手が掴んだ。 うつむいたEnuの細い指先が、私の指を握っていた。 Enuが顔を上げる。 厳しい眼差しを向けながら、私の手についた血も、Eluの手についた血も、拭ってくれるような気がした。 Enuは全身から棘を生やしていた。 棘と棘が触れ合うたびに傷となり、棘と傷と両方が痛みを走らせているかのようだ。 その蟀谷は引きつっていた。 私はEnuの手も振り払おうとした。 そのたびに力が込められ、Enuの手は決して離そうとはしない。 諦めろ。 Enuの声が、指先から伝わってくる。 私とEluの体は引き寄せられた。 Enuの手に一瞬、力が入らなくなった。 私はあわてて、握り返す。 周囲に、3人の血が振りまかれる。 互いに互いの血で真っ赤になって、私たちはそれでも離れない。 Eluが、私の肩を抱き寄せる。 為すべきことをしましょう。どうせ、こんな夜はまたと来ないんだから。 三人の頭上に黒い髪の毛が垂れ下がってくる。天蓋の内側から、巨大な女の目から上が覗いていた。 その目に瞳孔はない。皮膚は人肌とは程遠い鋼のような質感だ。 「貴様ラカ此度我ラMachinaニ与エラレタ偽装ノ魂トハ」 日の出のように女の首が生えて来、やがて肩が出たところで止まった。髪の毛が一束ずつ蟒蛇のように辺りを探っている。 「我ラノ力ヲ確カメモセズ、マルデ傀儡ノヨウニ扱ウトハ我ガ主ナガラ愚ノ骨頂ナリ。我ラニ人間ノ魂ナド余分ジャ。コンナ不安定ナ代物ヲ懐ニ抱ネバナラヌトハ、誠ニ拷問ヨノウ」 女の顔は一切の表情はなかったが、その声色だけが生き生きとしていた。 「ダガ、確カニ、コノ怨念ハ本物。御守リトシテ我ガ懐デ大人シクシテイルガイイ。貴様ラノ夢、コノ《ANGRBOÐA》ガ叶エテヤロウ。世界ナド結束セズニ毀レル。脆キモノナノジャ」 女の髪の毛は一本一本が握り拳ほどの太さがあった。プラグのように端子が突き出た先端が3人の喉を突いてきた。 「貴様ラニハ、華ガ似合ウ。千紫万紅ノ機雷ノ華ダ。宴ノオ開キハ、豪勢ニヤラネバ気ガ済ムマイ」 接続されたフィラメントはすぐに高温になった。灼けつくような熱と痛みが3人の喉を襲った。 女の呪詛が響く。 "絶エ間ナク我ガ傍ハラニ「悪魔」ハ騒ギ、触レ難キ大気ニモ似テ四方ニ漂フ。呑ミ込メバ、忽チ肺ハ、灼クルガゴトク、罪深ク、ハタ窮ミナキ慾情ニ満ツ。" −− "Eyðing"(破壊) * まるで、旧い映画を観ているようだ。 《ANGRBOÐA》の胸部に開いたコアシステムから、大量の機雷が空に打ち上げられた。それは空中で離散し、あたかも夏の風物詩とも言わんばかりに、黄昏の空に灼火の華を咲かせた。その焔の一滴一滴が燃焼するたびに、空を焦げつかせ、暗雲どころか暗黒で塗り替えていくようだった。 4Li(n'Å'n)GEL を閉じ込めたシャンデリアに刻まれた罅がたちまち大口を開き、オーバーヒートしたエンジンのように震え始めた。光が乱暴に溢れ返り、狂ったサーチライトのように全方位を暴れ回る。 しかし、その照射光すら、《ANGRBOÐA》の放った煙火は黒く断絶させていった。 深紅の流星群は、テクニアはおろか、DREAMÅ☆MUSICÅの空をその上から深く傷つけていくのだった。 * 「貴様ラニハ、華ガ似合ウ」 機械の声に、心が動じた。慄いた。逆撫でられた。同時に、少しだけ期待をしてしまった。 《ANGRBOÐA》の視界を通して、見えたDREAMÅ☆MUSICÅの空。 その終末的情景こそ、私たちの心象風景ではなかったか。 Elu、Emu、Enu……3人は手を繋ぎ合いながら、その予感を確かめ合っていた。 逃げも隠れもしないまま、もう後戻りはできないところまで来てしまった。 しかし、それも、ここまで。 長い"前夜"が、遂に終わる……。 「待って」 Emuが遮った。 「何あれ……」 光と熱でテクニアの空が焼け切ろうかとしたその時、一部だけが水絵の具のように滲んだ。それはゆっくりと空を横切り、《ANGRBOÐA》の目の前で止まった。それは滲みではない。光の悪戯である。テクニアの空に透明で巨大な何かが現れたのだった。 Emuにはそれがはっきりと見えた。 それは、手首だった。五指の備わった美しく透明な手首が、空に現れたのだった。 そして、Emuは聞いた。それを聞いただけで、心が揺さぶられた。 在りもしない故郷に、帰って来たような気がした。 それは、どこからともなく響いた、声。 友人と呼べる数少ない人物のうちの一人、その、懐かしい声だ――。 「ごっっっっっめーーーーーん、遅くなりましたぁぁぁぁぁ(bÅd)!!!!!」

